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Real~Beginning of the unreal〜  作者: 美味いもん食いてぇ
第2章

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23話

 


「えっ、キャぁっ」


「キィサマァアッッ‼」


 正真正銘の鬼と化した葵獅が凜を突き飛ばし、敵の前へ躍り出る。


 巨鳥が動けなくなった間、(わず)か一秒。


 男が女を突き飛ばした時点で首は引かれている。


 嘴が壊れていても、人間一人突き殺すことなど容易い。


 歪な凶器が風を切り、男の顔へ届く、直前、


 あろうことか、男は身体を少しずらすだけで躱してみせた。


 頬に掠り、血の線が走る。


 今の葵獅に敵から離れるという考えは無い。


 あるのは煮えたぎる殺意のみ。


 自分の身など考えていない。


 敵の弱点以外、何も見えていない。


「コォロスッッ‼」


 物凄い形相で巨鳥を睨みつけ、無防備な首を灼熱の手で鷲掴みにする。


「グゲェッ!?」


 狂ったように暴れるが、馬鹿げた握力と炎で皮を貫き、肉に指を食い込ませる。


 振り回される中、もう片方の手も食い込ませ絶対に離さない。


 瞬く間に巨鳥の全身が炎に包まれ、さらに暴れる巨鳥に、葵獅は張り付いているのがやっと。


 それに、燃え盛る炎は徐々に葵獅のことも焦がしていた。


 本来自身の魔法で傷つくことはない。


 しかし、それは身体が耐え得る限界までの話だ。


 無理をしすぎれば、当然壊れる。


 巨鳥はたまらず池へ走り、水に身体を打ち付け、張り付く虫を落とそうとする。


 池の底に叩きつけられ頭から血を流すそれは、しかし、離れない、剥がれない、離さない。


 恐ろしい執念でさらに火力を上げる。



 巨鳥は初めて、彼らに恐怖を抱いた。



 ――佐藤は葵獅のぶち切れた姿を、ボーっと見ていた。


 自分の中にある、いや、ずっとあったのに気付いていなかった力。


 今なら、さっきの現象は偶然などではなく、自分が起こしたのだと分かる。


 なぜか扱い方も、元から知っていたかの様に分かる。


 魔法とは全くの別物、使おうと思うだけでトリガーが入る。


 何だこれ。


 感じたことのない感覚に心を持ってかれていたが、連続する水を打つ音で現実に戻ってきた。


 我に返れば、鬼の形相で血を流しながらしがみ付く葵獅を、巨鳥が水面に叩きつけている。


 首元など既に毛は無く、肉まで丸焦げになっていた。


 対する葵獅も執念で張り付いてはいるが、顔色が目に見えて悪い。血も流しすぎている。


 両者とも限界だった。


 佐藤は自分の馬鹿さ加減を呪い、急いで、しかし冷静に、


『座標』をセット。


「葵獅さんッ‼()めますッ‼」


 その声に反応し、葵獅の目に最後で最大の闘志が燃える。


 次の瞬間、


「ギッ!?」


 巨鳥を同じ感覚が襲った。


 しかし今回はそれだけではない。首から明確な死が駆け登ってくる。


 毛を毟りながら、一直線で頭まで到達する。


 葵獅は両手を大きく広げ、


「フンッ‼」


 両の目玉を手刀で突き刺した。


「ギィアァアッ‼ッガファッ……」


 鮮血が飛び散り、一瞬で蒸発する。


 両目、両耳、口から炎が噴出。


 頭蓋の中を一瞬で焼かれ、何も分からぬまま、巨鳥は絶命した。



怒れる鬼。

炎上する鳥。

彼の能力『制止』で取り。


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