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Real~Beginning of the unreal〜  作者: 美味いもん食いてぇ
3章

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49話

 


 サンショウウオは焦っていた。

  このままでは全員食われてしまう。


 サンショウウオは嘆いていた。

 自分達の運命を。


 元からこの周辺に沢山の巣を持っていたサンショウウオ達は、突然現れたザリガニ軍団に襲撃され、瞬く間にその数を減らしてしまった。


 同じ場所をテリトリーにしたのが運の尽き。


 最早これまでかと目を瞑った、


 その時であった。


 爆音が響くと同時にザリガニ集合地帯のど真ん中が吹き飛び、赤い殻の雨が降った。




「ヒュ~」


「汚ねー花火だ」


 ロケットランチャーを構え、仁王立ちするノエルがザリガニ共を見下す。


 その隣に並ぶ、自分の背丈程の長さを誇る、折り畳み式アンチマテリアルライフルを担ぐ東条。


 なんと二人は、藜一派から自分の好みの武器を数個貰っていたのだ。


 存分に暴れられる環境、殺しても湧いてきて、且つ適度に弱いモンスター。

 二人がどれだけこの機会を待ち望んでいたかは、その無邪気な笑みが示している。


 百はいるだろうザリガニ共の、黒い目が一斉に此方を向く。


 次の弾を装填するノエルが、ニヤリと笑った。


「勝負」


「乗った!」


 開始の合図にジャンパーを脱ぎ捨て、東条が駆ける。


 銃を持つ右手を武装、ロケランが着弾した位置に飛び降り、目の前のザリガニの口に銃口を突き刺した。


 瞬間、腹の底に響く様な轟音が鳴り、ザリガニが縦に爆散する。


 数千m先の敵をも仕留める銃弾がその程度で止まるわけもなく、直線状にいる数十匹の命を纏めて刈り取った。


 揺れる空気に、飛び出る薬莢、本来片手で扱えるはずもない兵器を支配している感覚に、



「んぎもぢぃぃぃぃいいいいいいいッ‼」



 東条は絶頂した。



「あはははははははっ‼」



 連続する爆殺音と、音を越える銃弾が奏でる死の戦慄。


 宛ら二人は血に塗れた奏者。

 観客は飛び散る肉片である。


 五発を撃ち終えた東条は、一度退避してポケットから自分の手よりも大きい弾を取り出し、一つずつマガジンに装填していく。


「セミオートなのは良いんけど、五発ってのがなー。そっちあと何発残ってる⁉」


「四発ー」


 叫ぶノエルの声が爆音にかき消される。


 彼女の弾数も残り僅か、速めに数を稼いでおこう。


 東条は再びザリガニの海に身を投じた。



 ――ロケットランチャーの弾を使い切ってしまったノエルは、その余韻と焦げ臭い香りを存分に堪能し、ポケットに手を突っ込む。


 そうして出した彼女の手が握っていたのは、鉄の拳。メリケンサック。


 ノエルは飛び降り、一匹のザリガニと向き合う。


「シュっシュっ」


「カチカチカチカチ」


 彼女は顔をガードしながら、素人染みたサイドステップでザリガニの鋏を躱していく。


 大振りを潜り、懐に入ったら最後、


「シュッ」


 振り抜かれた右ストレートが、ザリガニの頭を爆砕した。


 フォームは雑、技術は皆無、ボクシングのボの字も知らない、そんな彼女が放つ拳の威力は、正に一撃必殺、鎧袖一触。


 左から襲う鋏を前傾で躱し、顔面を爆砕。


 勢いそのまま右から襲う鋏の内側にくるりと潜り込み、裏拳で顔面を爆砕。


 上から叩きつけられる鋏より先に懐に入り、顔面を爆砕。


 後ろから足元を薙ぐ様に振るわれた鋏を後ろ向きに跳んで躱し、空中で身体を捻り顔面を爆砕。


 左右同時に突き出される鋏を、同じ方向に回転してやり過ごす。

 のに合わせて伸ばされた第一脚を引っ張り、飛んできた二体を纏めて地面に叩き落とし、顔面を爆砕。


 この間僅か三秒。


 全方位から攻撃しようが意味はない。

 彼女に害成す悉くの顔面が弾け飛んでいく。


 爆砕の快感を知ったノエルは、青い返り血を盛大に浴びながら、嬉々として拳殺の限りを尽くした。



 遠くで快進撃を続けるノエルを見て、東条は弾切れのライフルを折り畳む。


「どしよ……あ、これちょっと持っててくれる?」


「ヌムヌム」「ムヌィ」「ムニィ」


 二足で立つ彼等にライフルを預けると、親切に全員で持ってくれた。子供達は手が届いていない。可愛い。


「うしっ」


 大丈夫そうだと確認した東条は、腰に下げた二刀のマチェットを引き抜き、突貫。


「ラァッ‼――」


 彼の刃に触れたザリガニは、切り裂かれ、砕かれ、潰され、吹き飛ばされる。


 彼が振るう武器は鈍器なのか利器なのか、力任せに暴れるそれが、しかし最後に運ぶのは等しく死。


「アひゃひゃひゃひゃッ」


 イカレた人間に刃物を持たせてはいけない。

 その教訓を、東条は見事に体現していた。



Merry Xmas(  ゜д゜)ペッ

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― 新着の感想 ―
[一言] 昨日風呂上がりに即ぶったおれて、やべえ死ぬと思いながらスポーツドリンクがぶ飲みしてから三十分くらいしてストーブで倒れたまま体乾かしてから液体歯磨きだけして布団で気絶したのはサンタからのクリス…
[一言] Merry Xmas(  ゜д゜)ぺッ
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