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Real~Beginning of the unreal〜  作者: 美味いもん食いてぇ
3章

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45話

 

「よっっせい!」「にぇい!」


 空の散歩から一気に急降下し、盛大に水飛沫をぶちまける。のではなく、水源に水滴が静かに落ちる様に、ポチャン、と着地した。


 広く大きく遠くまで続くのは、水没した麻布通り。


 のんびりと泳いでいた魚モンスターが慌てて散っていく。


 東条は苔に埋もれた廃車に飛び乗り、ノエルを下ろした。


「確かこの通りにも……」


「見して」


 貰った地図を開けば、麻布通り全域が赤く塗られ、ワニっぽい絵が描いてある。

 この一本道を縄張りにしている主といったところか。


「運良かったらこいつ見れるかもな」


「ん。ワニは美味いって聞く」


「マジかよお前」


 既に食う気のノエルにドン引きするが、彼女はそんなこと気にも留めず、リュックから自家製の釣り竿を取り出した。


 次いで漆黒により宙に浮かんでいる洗濯機に飛び乗り、目で合図する。


「……結局俺が運ぶのかよ」


「当然」


 彼女は足をぶらつかせ、楽し気に釣針を放った。




 ――東条はパシャパシャと水面を揺らしながら、足元に生える水草や、点在する丘、驚いて水に飛び込むモンスターを見て楽しむ。


 脚は漆黒で濡れもしないし、見通しもいい為大した警戒もせずに済む。


 ピクニック特有の長閑な時間に、彼は充分満足していた。


「今度は何釣れたんだ?」


 後ろから絶えず聞こえる、ボォー、という音に話しかける。


「ん」


 すると齧りかけの魚が、横から、ぬっ、と出てきた。


 ノエルは釣れたそばからバーナーで直接炙り倒し、かっ食らっているのだ。


 断面をよく見ればほぼ生。こいつは腹の足しになる物なら何でもいいのかもしれない。


「ピラニアみたいだな」


「名前はピラーニャ。そこら中にいる」


 常に何匹か自分の脚に噛みついているのだ。それは知っている。


「この前の掃除機みたいな奴は?」


「ヴァックリン。さっき一匹釣れた。あれ美味い」


「変な名前だな」


「ヴァキュームクリーナー」


「なる。後で釣れたら一口くれよ」


「ん」


「ちゃんと焼けよ」


「ん」


 他愛もない会話をしている最中、遠方で何かの衝突音と共に水飛沫が上がった。


「……何だ?」


 車を跳ね飛ばし、丘を踏み潰し、全速力で駆ける胴長の巨体。


 目を凝らし徐々に判明するその全容に、東条とノエルは一瞬戸惑い、そして理解した。


 全長は十五m前後、水色の鱗に覆われた、口が異様に細長いワニだ。


 しかし頭部を真横にして口を開き、ビルとビルの間を全力で走りながら、餌を余さずこそぎとっている変なワニだ。


 その面白い狩猟法のせいで、一瞬別の生物に見えてしまったのだ。


「はははっ、すげっ」


「おもしろ」


 グングンと迫ってくるワニと波。

 近くなればなるほど、そのデカさが際立つ。


 黄色い瞳が此方を向くと同時に、東条はジャンプし、ビルに指をめり込ませた。


「バララララァ……」


 上から見ると分かる。

 後ろ脚が発達し、走ることに特化した身体の作りになっている。


 潜むことを止め、何処までも敵を追いかけるよう進化した、ワニならざるワニ。


 変人と変ワニの目が今、交差した。


「俺が殺っていいよな!最近動いてねぇし」


「ん。黒いの出しといて」


「あいよっ」


 東条は空中に漆黒の床を展開し、固定。そのまま脚と腕を武装し飛び降りた。


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― 新着の感想 ―
[一言] よう久しぶりだな兄弟 色々駆使して読者百人くらい追加したぜ まあ読み続けられてるかは保証できねえがな! あと胸揉むときの表現楽しみにしてるぜ! ……ひよらないって信じてる!
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