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―幕開けの夏―
初めまして!白石 峯です!
こつこつとまったりと連載していくつもりです。
書き直したからじつはこれが二つ目なんですけどね()
とある快晴の夏だった。俺はいつもと同じように、幼馴染の葉月凪と家路についていた。
「なあ、尭。」
「ん?どうした?凪。」
「私って、変か?」
「どうして?」
「いや、女なのに、男みたいだとか言われてな。変なのかなって思ったんだ。」
「何言ってんだよ。お前はお前だろ?変でも何でもない。」
「そうか。」
「そうだよ。」
遮断機の前、静かに立ち止まる。電車の走ってくる音が静かに響く。夕方、蝉の声が少しづつ静かになっている。空はすっかり赤に染めあげられていて、まるで美しい紅の錦の様だと思った。
「なあ、尭。」
「何だよ。」
「髪、伸びただろう?」
「そうだな。」
「…可愛いか?」
「…似合うと思うよ?」
「…そうか。」
電車が通り過ぎた。遮断機が上がる。
「なあ、尭――」
夏は、時に美しくて、時に酷く残酷だった。
尭にとってのあの夏は、その通りだった。