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第二部☆天王星のジャグラー 第四章☆船に便乗したのは

「ロカワ様!ご無事で何よりです」

シタニが狼狽を隠して言った。

「ふん。お前が俺の情報を相手に洩らしていたんだろう?いい面の皮だな」

ロカワ氏はそう言うと、シタニの左頬をぶん殴った。

「きゃー!何してるの!」

サーファイヤーがびっくりして叫んだ。

ロカワ氏は拘束の武器でシタニを縛り付けると、倉庫に使われている部屋に放り込んだ。

「ロカワ、シタニがいなかったらこの船に乗れなかったはずよ」

「シタニがいなかったら、俺の作戦でさっさとけりがついてたはずだ」

「だけど・・・」

「甘いな。やつがどこまで敵に内通してるかわからん」

「・・・」

「そら、船長に会いに行くぞ」

「ええ」

二人は操縦室に向かった。

リラシナはとても驚いていたが、サーファイヤーの意思を尊重すると言った。

「これで、一安心かな」

サーファイヤーがそう言って船窓から宇宙空間を眺めた。

「いや・・・まだ気を許さん方がいい」

ロカワ氏は慎重だった。

「サーファイヤー様」

呼び掛ける声にサーファイヤーが振り向くと、天王星の『平和の使者』のメンバーが立っていた。サーファイヤーが慌ててロカワ氏の姿を目で探したが、ロカワ氏はいつのまにかいなくなっていた。

「あなたたちも乗っているって知らなかったわ」

「『天王星のジャグラー』様はとても用心深いお人ですので」

「『天王星のジャグラー』?」

「我々の指導者です。ジャグリングのように状況を操られるのでそう呼ばれておいでです」

「どんな人?」

「それが・・・我々にも直にお会いになったことがなくて、どんな方かは謎に包まれています」

「そう・・・」

「とにかく、天王星まで御一緒させていただきます。よろしく」

「ええ」


『平和の使者』のメンバーが引き上げていったあと、唐突にサーファイヤーの目の前にロカワ氏が出現した。

「どうして?」

「カメレオン効果の武器を使っただけさ。」

「心臓に悪いわよ」

「そうか?・・・それより、天王星のジャグラーは、この船に乗ってるかもしれんなぁ」

「えっ?」

「今のところ誰かは特定できんが、そのうち尻尾を捕まえてやる」

「本当に?」

「ああ」

思慮深くロカワ氏は浮かぬ顔で考えていたが、ふっと、サーファイヤーの顔を見つめた。

俺は独りじゃない、とロカワ氏は感じていた。

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