出会い
「今日から水沢さんのトレーナーになる、南くん。なにかわからないことがあったら、南くんに聞いてね。」
百田さんに紹介されて、私は緊張しながら、挨拶をした。
「水沢 凛です。よろしくお願いします。」
「どうも、南 水樹です。水沢さんはどこの学校?」
「水樹、水沢さんは学生じゃないから、お前より年上。可愛いからって、初日早々セクハラするなよ。」
「ちょ、百田さん何言ってるんですか、印象悪くなるからやめてくださいよ。
」
「ふふっ。」
二人のやりとりを見て、思わず笑ってしまった。仲、いいんだな。
なんか、楽しそうな職場かも。
「じゃ、水樹、任せたから。水沢さん、水樹にセクハラされたら、俺にすぐ言ってね。」
「はい、わかりました。」
「百田さん、水沢さんが本気にするから、やめてください。」
最後まで聞かず、百田さんは手をヒラヒラ振って事務所に戻って行った。
「百田さんと仲がいいんですね。」
「とゆうか、一方的にいじられてるだけ。それより、教えるのが俺って、水沢さん運悪いよ?俺が一番いいかげんだからね。」
と、南くんが笑った。
あ、八重歯があるんだ。笑顔、可愛いかも。
「南さん、この店舗にはスタッフは何人くらいいるんですか?」
「水樹でいいよ、敬語もなしで!全然年上に見えないけど、俺のほうが年下らしいし。」
「え、でも、、、」
「みんなも水樹って言ってるし。どう考えても、南さんってキャラじゃないし。」
「じゃあ、、、水樹、、くん?」
「オッケー!で、なんだっけ?スタッフ数?どうだろ、100人は余裕でいるんじゃないかな?」
「え!?100人、、、覚えられるかな、、、」
「大丈夫、俺も会ったことない人いるから。」
「そうなんですね。」
「よし、じゃ、早速いこっか。まずは部屋の清掃から。」
「はい!よろしくお願いします!」
これが水樹との出会い。
水樹は人懐っこい笑顔で笑う、可愛い感じの男の子だった。