卯月
人生初のエッセイです。もうすぐ私たちはバラバラになってしまうので、脳内の思い出たちを文にしまい込むことを目標にしました。
3月の末日。私は絶叫したのを覚えている。友達と中学校生活最後のクラス発表を見た日だった。
「こんなクラス、1年もいられねえ!!!!」
そう叫んで、私は部活でも落ち込んでいた。
それから少し経って、私はクラスへと向かう。何度クラス替えを行っても私は緊張するだろう。話したこともない人と隣だ…最悪…などと思いながら私はゆっくりと静かな廊下を歩いた。開けっ放しの扉を見て、ほぅと息をつく。ガラララなんて音をたてればそれこそみんなの目を引くだろう。あと少しで着くときに、少し深呼吸。意を決して中に入ると、数人の生徒。しかも面識のある奴らばかり。
(私の緊張を返せ!!!)
胸の中ではその思いが爆発していた。
4月のある日
地獄だ、そう思った。人見知りという厄介な人種に生まれ落ちてから早十数年。私は人生4度目のピンチを迎えていた。4人グループが全員知らん人。先生に悪意しか感じられない(ちなみにその他のピンチは幼稚園入園、小学校入学、中学校入学である。実にどうでもいい)。
なにがあったかはいまいち覚えていないが、私はそれなりに上手くはやれたのではないかと思っている。ちなみに斜め前の男子Kとの会話は
「ほい」
「サンキュ」
だけである。これが会話だというのか非常に疑問なのだが、彼とは追々仲良くなっていった。
4月も中旬に入った頃だったと思う。私は隣の席の男子Tにテープのりを貸した。しかも壊れかけ。その時の私をひっぱたきたい。人様に壊れかけのものを渡すなんて…頭がおかしい。
「あ」
Tは案の定それをぶっ壊した。これは私が悪い。
「ごめん、まじでごめん、弁償する」
Tは焦っていた。そりゃ焦るよね、人から何の気なしに借りたものが壊れかけで使った自分が壊すって予想できないもんね。
「い、いや!!T悪くないから!!それ元から壊れてたから!!!」
私も焦った。そりゃ焦るよね、何の気なしに貸したやつが壊れかけで壊すのが自分じゃなくTなんだからさ。結局2人とも謝りまくってその日は終わった。私の心も終わってた。
「はい、これ」
「は?」
Tが差し出してきたテープのりによって昨日の話題が掘り返された。
「いや、昨日俺壊したじゃん、だから…」
「い、いやいやいや!!あれは私が…」
割愛。結局はもらうことになった。なんとTのイケメンなことか。もうこれは惚れる…そんな私の頭の中では「あーのーひあーのーときー」というあの歌が流れていた。
「いやいやいやいや!!モノに釣られるってどういうこと!?」
自分で自分につっこんで我に返った私は本当のアホだと思う。