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第1話 あの、大丈夫、ですか?

 いなくなった天才少女白雲わたがしとわたがしが作ったぽんこつロボットの少女あめだまのわたがしを探す冒険。


 あの、大丈夫、ですか?


 いない。いない。えっと、ここにもいない。どこにもいない。

 うーん。いったいどこに行ってしまったんだろう?

 きょろきょろとしながら天井にあいている四角い穴から顔を出していた少女がくるりと回転しながら床の上にきれいに着地をした。

 少女は頭に不思議な形をしているピンク色のヘルメットをかぶっている。

 不思議な形をしているピンク色のスカートの服を着ていて、スカートの下には白のタイツを履いていた。足元はピンクの靴を履いている。

 さっきまで重力に引かれて垂れ下がっていた金色の長くて美しい髪ををピンク色のりぼんでまとめている。

 とっても美しい顔をしていて、ぱっちりとしている大きな瞳は水色で、その大きな水色の瞳には『不思議な光る幾何学模様』が浮かんでいる。

 その光る幾何学模様は『少女がロボット』であることのしるしだった。

 ロボットの少女の名前はあめだまと言った。

 あめだまは不思議そうな顔をしながら、真っ白な研究所の通路を歩きはじめる。

 研究所はとても広くて、通路が迷路みたいな張り巡らされていて、そしてさっきあめだまが通ってきた道のように(天井に空いている穴は通路だったのだ。ちゃんとはしごもついていた)『隠されている秘密の通路』もいっぱいあった。

 なんでこんなに研究所の中が複雑な作りになっているのかと言うと、それはこの『白雲わたがし研究所』の持ち主である天才少女白雲わたがしの『気まぐれの遊び』だった。

 なんでも、真面目な研究所はつまらないから遊園地みたいにしたいって思ったみたいだった。(ぽんっと手を叩いて、ひらめいた! みたいな顔をしていた。天才は子供なのだ。そして子供だから研究所の人たちが迷惑するってことをまったく考えたりはしないのだった。楽しいほうがずっと大切なのだ)

「わたがしー。どこにいるんですかー」

 そう声を出しても返事はない。

 わたがしと連絡がとれなくなってからもう一日(つまり二十四時間)が経過している。

 これは普段なら絶対にありえないことだった。

 わたがしはほとんどめいっぱいに詰め込まれているお仕事のスケジュールを完璧に無視している。それも普段のわたがしならありえないことだった。(わたがしにとって、お仕事の研究は遊んでいるのとおんなじことだった。とっても楽しいことなのだ)

「あのね。あめだま。もし私と連絡が取れなくなって、二十四時間が経過しても、そのままの状態が続いていたとしたら、あなたは『どんな予定も無視して、どんな方法を使ってもいいから、必ず私を見つけ出して』。そうするって『私に約束して』。あめだま。お願い」

 あめだまはそんなわたがしの言葉を思い出していた。

 あめだまはもちろん、自分を作ってくれた、世界で一番の友達でもあるわたがしに「はい! もちろんです、わたがし。どんなことがあっても、絶対に私がわたがしのことを見つけて見せます! わたがしがこの世界のどこに隠れていても。どんなに遠くに離れ離れになったとしてもです!」とにっこりと笑ってそう言った。

 するとわたがしは本当に嬉しそうな顔で笑って「ありがとう。あめだま。あなたと出会えて、友達になれて本当によかった」と言った。

 大好きなわたがしにそんなことを言ってもらえて、あめだまはとっても、とっても幸せな気持ちになった。

 だから絶対に、どんなことがあったとしても、わたがしとの約束を守ろうって、そう『自分のわたがしからもらった心』に決めたのだった。

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