シガケンシュタイン博士の人造人間
非喫煙者です。
滋賀県出産のマッドサイエンティスト
シガケンシュタイン博士は
若いころはシンガーだったんどけど
ヘビースモーカーだったせいで
のどを痛めて夢 破れた
滋賀県はべつにシガー県ではないので
じぶんの生まれを呪うこともできずに
彼は自身の夢を託すべく
シンガー型人造人間の開発に着手したんだ
とうとう完成はしたものの
その人造人間には重大な欠点があって
リズム感は内蔵メトロノームが機能するし
絶対音感まで備えてるんだけど
博士の化学力では言語を習得させるには至らずに
人造人間の発することばは
「シンガー! シンガー!!」のみだったんだ
なんて言ってるのかを産みの親である博士には
どうにかわかるとはいえ
ほかのひとたちには伝わらないし
歌詞をちゃんと歌うことなんてとうてい無理
だけど かんじんなのは
歌詞を歌えないことじたいじゃなくて
歌詞を歌えないことで 歌を届けられないことさ
ほんとに素晴らしいシンガーなら
歌詞なんて歌わなくたって
ハミングや「んふふ♪」「ラララ♪」で
歌を届けることができるはず
それが叶わないじてんでこの人造人間は
シンガーとしては不完全
「シンガー♪ シンガー♪♪」だけでも
何百 何千もの歌を
歌い分けて 歌いあげてみせるのが
本物のシンガーってもんだろ
それこそがシンガー型人造人間としての致命的欠陥
言語能力よりも根源的なシンガーとしての本質
そこを再現できなかったことからして
シガケンシュタイン博士 本人が
シンガーになれなかった理由は
タバコの吸いすぎではなかったのかもしれない
タバコ吸わないのに、へたっぴシンガーです。












