好奇心
初めての作風なので、「ホラー」を感じる要素は少ないと思います。
不気味な雰囲気を演出することは苦手ですが、精一杯頑張っていきます!
※何回か書き直しをしました。準備不足です、申し訳ありません。
これが、僕の人生におけるターニングポイントだと直ぐに分かった。
選択を誤れば、周りの友人のように、地面に倒れて眠るように死ぬ。
真正面に立つヒトは、僕の心境を見据えているかのようにこう言う。
「大丈夫だよ。君の一言で全ての物事が一瞬で決まるんだからさ!」
その声は僕を慰めている声ではなく、嘲笑っている声だと分かる。
右手を僕の方へと優しくそっと差し出して、再び言葉を繰り返した。
「君の選択で友人の運命が変わるんだよ!さぁ、真剣に考えて!!
友人を助けたいんでしょ?なら、答えはもう決まっているよね?」
周りに咲いている彼岸花は僕を嘲笑うかの如く、風に揺られていた。
そして、それはまた僕の心の底の揺らぎを表しているように思えた。
逃げ出したいけど、もう後戻りは出来ない方向へと進んでしまった。
こんな事になるのなら、異変を感じた瞬間に帰っていれば良かった。
「今週の土日何方かにさー、三人で夜に”肝試し”しに行かない?」
友人である青木が給食中にゲームの話から、話題を変えて言った。
もう一人の友人である猪瀬は、先程まで呆然としていたのだが…
青木の言葉を聞いて「何でそう思ったの」と食べながらも聞いた。
「俺がよく見ている、推しの配信者が肝試しの配信をしててさー」
「つまり、あれか。アオキ君はキッズだから影響されたって事?」
僕が水筒の水を飲みながらそう言うと、青木は「違ぇし」と言う。
「話してなかったんだけど、実は俺オカルトがめっちゃ好きで!
何時か友達連れて、一回だけ行ってみたかったんだよ!頼む!」
目をキラキラと輝かせながら、青木は僕と猪瀬に興奮して語った。
「え…アオ君って、実はボッチってことぉ?うっわー、可哀想w」
「中学だと親に門限決められてたの!お前も知ってんだろっ!!
それに危険だって拒否られてたからさ!今しかチャンスねぇの!」
神頼みをするかのように、青木は両手を合わせて僕らに頼み込む。
猪瀬は「アオ君が行くなら付いてくよ」と、軽いノリで了承した。
僕は「二人が行くなら…」と渋々ながらも了承してしまっていた。
僕らに良いんだなと何回も確認した後、彼は満面の笑みを浮かべた。
彼は言質取ったぞ、と自慢する幼稚園児みたいにはしゃいでいる。
「今週の日曜日、七時に俺が指定する場所に集合ってことでよろ!」
青木がそう僕らに言い聞かせた後、丁度チャイムが鳴り響いた。
給食の会話以降、当日になるまで肝試しの話は一回も話さなかった。
あの時、…否。当日になる前に二人を止めておけばこんな事には―…
友人である、青木と猪瀬は適当に名前を決めました。
書いている途中「あ行の名字にしよー」という感じに。
因みに青木と猪瀬は幼馴染という裏設定があります。
さて、その幼馴染と行くのはどんな所なのでしょう?
…という訳で、次回のお話もお楽しみに!