8、秘密の会話
今回は短めです。物語も後半に入ってきました。
引き続きよろしくお願いします。
「さすがに学校への侵入は無理です」
「だからあんな虫が付いたんだろ!」
ハドリー様は怒りを鎮めるために壁を殴ろうとしたが直前で我慢した。深呼吸をするといつもの美しい顔に戻った。
「エリックだっけ?調べといて。あとローズがやったとか言ってたんだっけ?それについての調査もよろしく」
「かしこまりました」
窓の外を見ると満月が浮かび上がっている。一通り報告が終わったのに今日は帰らせてもらえない。
「エリック以外にいないなら、なんでターシャはプロポーズの言葉なんて考えていたのだろう?何か知ってる?」
「恐らく小説のことだと思われますよ」
納得したようにハドリー様は手を打った。本棚から例のシリーズを取り出すと愛おしそうにページを捲っている。作者の所に私の名前が入っている。
「じゃあ明日も彼女の警護及び言動と行動の報告よろしくね。一つも漏らさないように」
「かしこまりました。失礼します」
アリスは窓から飛び降りるとターシャの眠りを確認するために屋敷へと帰るのだった。
読んで頂きありがとうございます。
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