00 異世界バンディットのプロローグ
↑自作の表紙イラストです作品のイメージが伝わると嬉しいです↑
いわゆるチートキラー物です。某海外ドラマにドはまりして考えました。
小説で書く以上オリジナル展開を増やせていけたらいいなと思います。
舞台はなろう小説でよくある中世ヨーロッパ風の世界観で、そこに多くの転生者が現れた事によって、産業や政治が活性化した世界です。
転生物の小説等で転生者達がやっているような事をほとんどやられてしまってる世界に、最弱の体で転生してしまった主人公の物語となります。
巨大な樹木が生い茂る暗い森、木々を分けるように建てられた古びた教会を、夜空から二つの月が青白く照らしている。
周囲に人気はなく、虫の音色と少女のすすり泣く声だけが微かに響いていた。
少女は教会の中、横たわる女の骸の前でただ嘆いていた。
「――小説やアニメの主人公だったら時を遡ったり、特殊な魔法を使ってサラを死なさずに済んだのに」
少女の背後に立つ黒いローブをまとった魔女は、肩に羽織った黒毛皮に細く黄色い縦縞の入ったコートを怪しく揺らし少女に銃口を向ける。
「人の生死を操る力などこの世界の秩序を乱す。お前たち転生者はそうやってこの世界を壊していくんだ。さっき殺した男、そしてそこで死んでいる女も転生者だろ。私の名前はブルズアイ、灼眼の魔女だ。お前たち異世界転生者専門の殺し屋をしている」
教会内には他に黄金の鎧を身につけた男の死体が転がっている。
魔女は魔弾を撃ち出すその銃の撃鉄を起こしトリガーに指をかける。燃えるような赤い瞳は少女の転生前の姿をとらえていた。
「お前達さえこの世界に来なければ私の一族は滅ぼされることはなかった!」
怒りで震える手を落ち着かせ魔女は少女に向け、その日三発目となる魔弾を放った―――
サラと呼ばれる女の死を嘆き続けている少女の名は<エアル・F・イン・フロージ>。
この日からエアルのバンディットとしての物語が始まる。