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先に号俸制になった同僚の話
私よりも先に号俸制になっていた同僚。
なったはいいけど、いいことがなかった。
私よりも、経歴が少ない同僚が号俸制になり、本当にショックを受けた。
何故なら、その彼女は、仕事も真面目にしなければ、サボってばかりだったからだ。
ただ、課長に目をかけられてはいた。
人に取り入るのが上手だ。
なので、号俸制になれっこないと、太鼓判を押されていた私達の職種が、あの彼女のおかげでなれたというのは勿論ありがたいと思う。
その一歩がなければ、今の私達も無いのだから。
開拓してくれたも同然の彼女なのだが、何かと不運に見舞われている。
号俸制になってから、半年した頃。
急にご主人さんが、病院に救急搬送された。
病名は、「大動脈解離」という、大病だった。
普通の場合は亡くなっていただろうと言われた。
8時間に渡る大手術の末、ペースメーカーを入れて生活している。
彼女が、家の大黒柱である。
先行きが心配です。