表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未来予想図  作者: 星田実の里
第一章
8/10

号俸制になる!

私はこれまで、官公署で18年間働いて来た。

15年間は契約で、ここ3年は正規で。

そしてついに…

労組の方々のご苦労もあり、ついに念願の『号俸』が私達の職種でも適応されることになった。


今思えば5年前の三月、同僚の6人のうちの二人が、一早くこの号俸が適応された。


”号俸”と言うのは、”国家公務員の職階によって決められた俸給”である。

要は勤続年数によって、一年に一度、昇給されるというシステムだ。


昇格した同僚は、その当時で一人年、もは9年、もう一人は5年という勤続年数だった。

因みに私は当時勤続12年。


その時は、天地がひっくり返るかと思った。


”何で、私は、なれなかったの?”と、物凄くショックを受けた。

職場から、裏切られたような気にもなった。


何と言っても、6人の同僚の中で、私が一番年齢が高く、勤続年数も一番長かったからだ。

それなのに、なんで私は号俸に適応されなかったのか…。


その二人が、私よりも世渡りが上手かったからに他ならない。

県議会議員の友達がいたり、課長におべっかを使ったりと、ありとあらゆる手を使って、その地位を手に入れた。


5年間、その怒りや、悲しみや、憤りを乗り越えるのは、本当に楽ではなかった。

ひと言では、言い表せないほどの屈辱だった。


働かせていただけているだけ、感謝だし、子ども達の養育費もそこそこまかなえていたから、自分の心と折り合いをつけながら今日までやってきた。


その結果、末っ子も今年の春大学を卒業し、就職も出来たのだから、これからは自分の老後の蓄えなどに回せるなと思っていた。


とにかく、感謝しかない。



これから二年半。

念願の俸給をもらうことになる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ