表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未来予想図  作者: 星田実の里
第一章
7/10

長年の夢

二十歳の頃に考えていたこと、それが実現知らないうちに実現されていたと気がつく。

先日、ネットで簡単な占いをして見たところ、その結果というものが、


”誰かの役に立っていると考える時に、しあわせを実感する”

・・・と言うものだった。


これは本当に当たっていて、びっくりした。


と言うのも、二十歳の時に、心の中で決意していたことがあったからだ。


”私は、Kさんをしあわせにするために生きよう”

と。


なぜそう思うに至ったのかは、今となってはわからない。

いろんなプロセスがあったと思うけど。


その年の彼のお誕生日の日に、自分の声のメッセージと、好きな曲をダビングしたカセットテープを贈った。

余談だけど、これって、確か『世界の中心で、愛を叫ぶ』の中で主人公の朔太郎もしてたと思った。


80年代、あの時代のトレンドだった。


それを”ウォークマン2”で聴くこと。


まあ、それはどうでもいいとして。


私は、いつの間にか、入社式の時に一目ぼれしたT君よりも、Kさんのほうに関心を持つようになっていた。

自分でも、よくわからないけど、多分、気がつかないうちに、じわじわと彼のことを好きになっていたんだろう。




カセットテープに、好きな曲を吹き込んだ。


サイモンとガーファンクルの『明日にかける橋』


ライオネル・リッチーとダイアナロスの『エンドレスラブ』


佐野元春の『サムディ』


どれも、私の気持ちを代弁するような曲だった。


”あなたをいつも支えているよ”

”私はあなたを永遠に愛するからね”

”いつかキット、想いが伝わりますように”


こんなキモチになるのは、生まれて初めてのことだった。

どちらかと言えば自己中心的な人間で、人のことなんてあまり考えたこともなかった。


それが、Kさんのことになると、本当に真剣になってしまうのだ。

でも、”愛してる”なんて言えない。


なぜなら、彼と私は、男女間を越えた友情で結ばれていると信じていたから。

そういうのって、ありだと真剣に思っていた。


なので、彼にも、そういうことは一切言っていない。

付き合うなんて、もってのほかだった。


彼からの返事は、実に一年半後に、私が遠いところに転勤した後に、当時住んでいたアパートに届いた。

私は、本当に胸が躍った。高鳴った。


今でもその手紙は、後生大事に持っている。

私の宝物だ。




実現していると、確信した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ