屈託 前編
本編本編ー
そしてⅢ章終盤~♪
ということはもうそろそろぺたぺた作業は終わりか…。
続きへどうぞ!
仮面の男は仮面を外し、こちらへ二カッと屈託のない笑みを向けて告げた。その男の顔はおそらく、二十歳前後であろう事が伺える。
「ほなら行こか~。」
男はなんてことないかのようにうちを連れて入ろうとする。この男には恐怖は無いのか。
「一応仮面渡してんだから、仮面ぐらいつけてくれない~?ルールだってゆったでしょ~?駄目だよ、海。」
クロネコの呆れた声に、海と呼ばれた男は身を大げさにすくめて見せた。
「ごめんて~。そんな怒らんといてー、な?」
なんというか…軽い男やな。
黒巫女とクロネコが同時にため息をつく。
「いいから」
「早く」
「「はじめて(ください)」」
二人に言われて海はうちの手を引いて、扉の中へはいった。
中はさっきモニターで見たのとは違う部屋だった。まるで学校の体育館のよう。
「ほなら始めよか~。こんな舞台用意してもらっといてなんやけど、シンプルにNGワードを当てられれば勝ちでどうや??」
〈わかりやすくていいんじゃない~?〉
クロネコのやる気のない声が返ってくる。
「ちょ、ちょっとまちーや!?うちノーヒントだと不利すぎひん??」
うちがたまらず抗議すると、海はあっさりと認めた。
「せやなー。んー…じゃあ、俺の好きな食べもんでも当ててもらおか~?」
ニカッと笑う海。
〈あーうん、いいと思うよー(棒)それでいいんじゃないー(棒)〉
クロネコのやる気のない声。
「失敗できんのは二回まで。質問は五回までな~。三回外したら俺の勝ちや~。」
「んな、適当な!?」
〈んーじゃはじめー。〉
クロネコの抑揚の無い声で、ゆるーく始まってしまった。
命がかかっているという話が嘘なのかと思うほど、やる気のないゲーム。
(なんなんやこの状況は…。)
まさか…負けることは無いと思っているのだろうか。
馬鹿にされている。
これは確実に。
「お前さー、記憶ないってマジなん?」
突然そうルームマスターに話しかけられて困惑する。
「…あんたには関係ないやろ」
「まーまーそう冷たいこと言うなや。別に教えてくれたってええや~ん?」
ヘラヘラ笑う海。
「…ない。」
「じゃあここから出たいか?」
「は?当たり前やん?」
その為に、こんなゲームをしてるのに。
海の視線はすぅっとまっすぐモニターを捉える。
モニターに映る、クロネコを。
屈託のない様というのはなんの悩みもなく心が晴れ晴れとしている様子を示します。
どちらかが必ず死ぬかもと言われている状況下で彼が笑っていられるのはなぜなのでしょうね…?
そして夜中になるとお腹がすくのもなんでなんですかね!?
…いや、流石に食べませんけどね!?