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BOX ー神の箱庭ー  作者: 橋姫
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クロネコ

幸せ展開というよりはひたすらに絶望…というのを目指して書いてるので、バットエンドが苦手な方はこの作品を読まれないほうがいいと思います!

後一人称を変えるだけで、誰だとか、そういうのは説明書きしないので、わかりづらいかもしれませんが、もし、それでも良ければ…先にお進みくださいませ。




痛い痛い痛い痛いいたい。


鋭い痛み。目の前には同い年くらいの子供達が何人も転がっている。

体が動かない。

全身傷だらけでピクリともしない。そうして、地面に転がっているだけ。


「あぁそうか…」

死んじゃったんだ。


そう呟やこうとして、意識は途切れた。








ー次のニュースです。N■区高速■■にて、観■バスが転倒し、■■■小■校の生■■■人が犠牲■なり■■■■そのうち乗っていた■■の行方が■ら■■なっています。警察■

…。












「おーい、???いつまで寝てるつもりなの?」

「ねーおーきーてってー。起きないと君、ボクの権限で失格にするよー?」



(うるさい…)

眠い…寝かせてほしい。


「いいのー?君ここから一生出れなくなるよー?」

「…ん〜」

「お?起きる??」

「んー」

耳にふっと息を吹きかけられる。

「にゃぁっ!?」

一瞬で覚醒する。

「あ。起きた???」

驚いて飛び起き、驚いてその子供を睨む。その子供の白目の部分は真っ黒く不気味だった。

「キミが最後だよ〜?ボクが優しい【支配人】で良かったねぇ〜?起こしてあげたりとかしないんだから、フツー。」

そう言ってその子供はやれやれと大げさに身をすくめる。

「支配人…?何ゆってるの…?貴方は誰…?」

私はそいつに問いかけてみるけれど、何も答えてくれない。

真っ白い部屋の中。

状況が飲み込めず、あたりを見回して気が付く。私の他にも、何人もの子供達がいる。どうやら彼らも状況が読み込めないでいるらしく、不安そうな表情を浮かべていた。

「さぁ、参加者が全員揃ったところで、まず自己紹介といくかぁ。ボクはここ、BOXの支配人のクロネコだよ!よろしくね〜?」

ひらひらと手を振って挨拶をするクロネコ。


「私達を誘拐してなんになるのよ!?」

子供のうちの少し気の強そうな女の子が、問う。

するとクロネコは、不気味に笑って答える。

「誘拐?心外だなぁ〜。そんなんじゃないって〜。」

「じゃ、じゃあ、ど、どうして、ぼ、僕はここへ…?」

少し気弱な少年がおずおずと問うと、クロネコは面倒くさいと言わんばかりにため息をつく。


「んー…と、質問に答える前に〜、ボクの話を大人しく聞いてもらっていいかなぁ〜?キミ達、小学校高学年でしょ〜大人しく人の話くらい聞けるよね〜?って…そんなこと覚えてる人なんかいるわけないんだけどね〜?」


一斉に子供達は黙る。

「さてさて。いいかな〜??えーオホン。キミ達は死にました。」

…は?

「どーゆーことよ!」

「俺はこうしてここで生きてるじゃないか!!」

「い、意味わからない事、い、い言わないで欲しいな…」


口々に騒ぎ出す子供達をクロネコは一瞥し、また、ため息をついた。

「はぁ…いい?人の話は最後まで聞くこと。今からキミ達にここから出られるチャンスを与えようとしてるのに。全員失格にするよ?」

クロネコは続ける。

「キミ達は正確にはまだ、死んではいないんだよ〜?でもこのままだと、目を覚ますこともなく、記憶も戻らず、悪魔が迎えに来るまで、ここでずっと待たなくちゃいけなくなるんだ〜。」 



「だから、ゲームをしよう〜?勝った方は現世へ戻り、負けた方は地獄へと落ちるんだ〜。簡単でしょ〜?」


まるで何でもないことかのように笑って話すクロネコがたまらなく不気味で仕方がなかった。

黙って聞いていた子供のうちの一人が、ズカズカと近づき、クロネコに掴みかかる。

「おい、お前!!そんな話信じられるか!誘拐犯め!」

「あーやだやだ。なんでこんなに短気な奴がいるのかな〜?どうせどうやったってここからはボクの許可なく出られないし、キミ達も死ねないっていうのに。」

バカにするかのように、おどけて話すクロネコに、我慢ができず、殴りかかる一人の子供。

「このやろ…」

「あーもう暴力はんたーい。」

パチンとクロネコが指を鳴らすと、子供から力が抜け、赤い血がドバドバと流れ出る。

「きゃぁぁぁっ」

見ていた私達はたまらず悲鳴をあげた。

「な…んで…」

「あのねぇーボクがホントに誘拐犯だとするよ〜?そしたら、鬱陶しいガキ一人くらい、殺すと思うんだよねぇ〜。そういうの考えて大人しくできないの?」

「あ…た…たすけ…」

赤黒い液体でベタベタになってる、今にも死にそうな子供を見ながら平然と説教をしているクロネコ。

そして血まみれの物体はこちらに手を伸ばし少しずつ近づいて来た。

まるでゾンビのよう。

「あー…これ以上は他の子の精神ショックが大きいかなぁ…?」

もう一度、パチンと音がすると、赤黒い血は無くなっていて、そこにはさっきの子供が倒れていただけだった。

「あれ…?俺…!?」

「え…?」


わけがわからなかった。

あれは…あの血の量は…確実に死んでいたと思ったのに…。

それにさっきまで見ていたのは…幻…なのだろうか。


クロネコがニヤリと笑う。


「じゃあ、そういうことで〜。キミ達も混乱してるだろうし、ボクは他にも準備しなきゃいけないことがあるから、失礼するよ〜?詳しいゲームの説明は明日ね〜。」

クロネコはそういうと、案内役の黒い巫女を一人残し、どこかへ消えてしまった。










Twitterだと読みづらいから、移動してきたけど…この作品を読んで面白い!と思ってくれたら嬉しいです…!

お腹減ったな…。

眠い…。

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