最後の秘密 十六
「ホントに今日、楽しかったね~!」
「ああそうだな!」
俺と風花はバーベキューからの帰り道、2人で歩いていた。
もちろん、バーベキュー用の荷物を持つのは俺の役目だ。(必要な器材はリヤカーに全部乗せてある。)
また10月だけあって、辺りは早くも暗くなり始め、星も少しだけ見えるような時間帯になっている。
「でもさ~和馬くんと遥、何かいい感じじゃなかった?」
「あ、俺もそう思った!
和馬は絶対遥ちゃんのこと気になってるよ!」
俺たちはそう言って笑う。
その後も、俺たちは今日あったことを色々思い返しながら、バカ話をする。
「あっ、ここまででいいよ!
荷物持ってくれてありがとね。ここから先は家近いし、あたし1人で運べるから…。」
「いやでも、家まで送るよ。」
「大丈夫大丈夫!あたしこう見えても、力強いんだから!
それに、まあ奈子と遥に手伝ってもらいながらだけど、朝行く時も荷物持ってきたし…。」
「…分かった。
じゃあまた連絡するから!」
「待って!」
俺は、そこで風花に呼び止められる。
そしてその時の風花の表情は…、何かを思いつめたような感じの表情であった。少なくとも、さっきまでバカ話をしていた時の風花とは、様子が違った。




