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最後の秘密 二
「でも今は秋じゃん?来年の春一番って、まだまだ先だよな…。」
「そうだね…来年の春か…。」
俺が何気なしに話を続けようとすると、なぜか風花は少し涙目になる。
「…どうした風花?」
「べ、別に何でもないよ!」
「…ってか前も風の話した時、風花泣いてなかったか?」
「いや、それは…風のことになると感動しちゃう、のかな?
『風花』だけにね!」
風花はそう冗談っぽく言うが、俺は違和感が拭えない。
「そうだそうだ!またまた正人に叶えて欲しい『願い』ができたのです!」
しかし風花がそう言うので、俺はその違和感を心の中に押し込んだ。




