表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風の便り  作者: 水谷一志
33/71

海の見える観覧車 十七

 ※ ※ ※ ※

 間宮風花は9月最後の日曜日、二階堂正人との、待ち合わせの場所に向かった。

 その日は2人で、映画を見る予定にしている。

 そして風花にとって、二階堂正人は「特別な人」になっていた。

 『思えば、正人と出逢ったのは、あたしがたまたまスマホを落としたからだった。

 それを、正人が拾ってくれて…。』

 その時提案した「ゲーム」、風花自身がやってみたかった「ゲーム」が、こんなにも自分にとって大事なものになるなんて、その時の風花は想像していなかった。

 『そう、正人は今のあたしにとって、かけがえのない人。

 でも、正人はあたしのこと、どう思っているんだろう?

 あたし、ちょっとウザいとこあるし、実は嫌われてないかな…。』

 そう思いだすと心配になって、正人と逢うのが嫌になってくる。

 でもやっぱり、正人の顔が見たい、逢って話をしたいと思う、自分がいる。

 そんな相反する気持ちを持ってしまうのも、それが「恋」だからなのかもしれない。

 しかし、風花には、ある心配事があった。

 『今まであたしたちは『秘密』を教えるゲームをしてきた。

 それは、とっても楽しかったけど…。

 でも、この『秘密』を言ってしまったら、正人はあたしのこと、嫌いになっちゃうかな?

 いや多分、あたしとは一緒にいてくれないだろう。

 でもいつかは言わないといけない。でも、でも、今日だけは…。』

 風花はそんな思いに苦しめられながら、正人との待ち合わせ場所に向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ