表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風の便り  作者: 水谷一志
3/71

落としたスマホ 三

 しかし、高1の秋の頃、ふと思ってしまった。

 『俺、成績ひでえな…。

 ってか俺、この高校の中で、人より優れていることってあるか?

 何もない気が…。』

 そう思いだしてから俺の心が転落するまでは、早かった。

 実際俺は、まあ欠点は免れていたものの、5教科の成績はトップクラスとは程遠いものであった。それに、運動面に関してはまあできたが、それも周りと同じ平均的なレベルで、例えば部活で好成績を収めたとか、そんなことは一切ない。

 『…ってか、そんなの本当は、人と比べるものではないよな…?』

俺はそんな「劣等感」を感じる度、そう自分に何度も言い聞かせた。

 そう、人より優れていること、人と比べることにアイデンティティを求めるのは、本来なら間違っている…それは百も承知だ。承知なのだが、俺は…どうしても人と比較してしまう。そして、自分のできなさ、ふがいなさに腹が立ち、また虚しくなる。

 『こんな気持ちになるなら、進学校なんかに入学するんじゃなかった…。

 もっとレベルの低い高校なら、俺は優越感を失うことなんてなかったかもしれねえのにな…。』

俺は中学時代、優越感を感じながら生活していたわけでは決してない。しかし、近頃の俺はそんなことまで考えてしまうこともあった。そして、それはレベルの低い所への「逃げ」だと感じて自分が嫌になったり、また根本的にそんな卑しい考えを持ってしまう自分自身に嫌気がさしたりして、俺の心はブルーになった。

 また、そんなことを考えているうちに段々虚しさがこみ上げてくるようになって、

 『俺、結局の所、何のために生きてるんだろう…?』

 そんなことまで考え、そして答えは出ず、また虚しくなる…そんなことを繰り返すようになった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ