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海の見える観覧車 十二
その写真は…、
「ええっ、ってか風花、顔変わりすぎじゃね!?」
「そうかなあ…。」
そこには黒髪で、ショートカットの少女が写りこんでいた。
風花の今の姿は茶髪のロングヘアーで、さらに化粧も濃い。それと比べると…、
「女の子って、髪型や化粧で変わるもんだな…。」
「そうだね…あたし、かわいくなったでしょ!?」
「いやまあ…。」
…正直に話そう。今の風花もきれいな雰囲気だが、写真の、黒髪ショートで化粧をしていない風花も、「美少女」という感じがしてかわいい…と俺は不覚にも思ってしまった。
「ああ~その表情、『今も昔もかわいい。』って書いてあるよ!」
「…は?
バ…バカ!そんなこと思ってねえし!」
「ホントに~!」
俺が風花の対応に四苦八苦していると、風花はさらに笑う。
「でもよく見ると、目の辺りとか鼻筋とか、面影はあるような気がするけどな。」
「まあそんなもんかもね。
じゃあそろそろ行こっか!」
「そうだな!」
そう言って、俺たちは観覧車を後にした。




