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海の見える観覧車 十一
「今日はありがとね、正人!
あたし、ずっとこんな場所に来たかったんだ~!
ただ、あたしカミングアウトだけど、超方向音痴だから1人でここまで来る自信がなくて…。
だから正人がいてくれて、心強かったです!」
「おいおいそれって、どんだけ方向音痴なんだよ!」
そう言って俺は笑うと、
「ちょっとそんなに笑わなくてもいいでしょ!
誰にでも弱点はあるんだから!」
と風花がムキになるので、俺はさらにおかしくなって、笑う。
すると、風花もそんな俺を見て、ムッとした心が晴れたのか、笑った。
「あっそうそう!今日は『一緒にここに来る』っていう願いを叶えてくれたんだから、あたしの秘密、1つ言わなきゃね!
というわけで、あたしの昔の写真、中学時代の写真、持って来ました!
ちょっと恥ずかしいんだけど…。」
「えっマジで!?
めっちゃ興味あるんだけど!」
「じゃああそこのベンチに座ろっか!」
そう言い合い、俺たちは座った。




