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海の見える観覧車 七
「あるよ。
例えば、親に妙に期待される、とか…。」
自分の口から出たその言葉、その答えは心の中の俺の思いであったが、俺はそれを風花の前で口にしてしまったことに、自分自身で驚いていた。
「なるほどね~。
まあ西高に行くほどの学力があったら、余計に期待されるのかもね。
…あ、ごめん気に障った?深い意味はないよ。」
「大丈夫分かってるし。」
俺はそう答え、なぜか風花の前でホッとしている自分に気づく。
「じゃああたしのあるあるね!
まず、一人遊びが多くなる!」
「何だよ~それありきたりじゃんか。
もっと風花らしいのねえの?」
俺は、先を促す。
「そうだな~。
じゃあ、一人っ子だと色々甘やかされて、親と祭りに行っても、カステーラいっぱい買ってもらえる!」
「ハハハハハ!風花らしいな!
ってかどんだけカステーラ好きなんだよ!」
俺は声をあげて笑い、つられて風花も笑う。
『何か今日の俺、マイナスオーラから解放されてるような…。』
そして、俺たちは周りをブラブラし、観覧車へと向かう。




