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海の見える観覧車 三
「もう~本当は待ってるんでしょ?
ってかメールして次の日曜日に待ち合わせなんて、西高生って案外暇だね!」
「いや暇じゃねえから!一応今日も『友達と勉強してくる』って言って家を出てきたし…。」
すると、
「えっ…本当?無理してない?」
彼女が真顔になり、申し訳ないような表情になるので俺はおかしくなって、
「いや、ぶっちゃけ俺も勉強を休む口実が必要だったんだよ!
まあたまには気分転換もしないと、頭に入るもんも入らねえしな。
だからありがとな、風花!」
笑いながら俺は風花にそう声をかける。
「そっか~良かった!
じゃあ正人の願いも、今日1つ叶ったわけだね。
というわけで、今日はまず正人の秘密を1つ、教えて頂きたいと思います!」
「…は!?」
俺は嫌そうな顔をするが、風花は構わず続ける。(まあどの程度嫌そうな顔をしたかは鏡を見たわけではないので自分では分からないが。)




