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海の見える観覧車 二
「あっ、お待たせ正人!待った?」
「いや別に…。」
次の日曜の夕方、俺は風花と、海の見える観覧車の前で待ち合わせした。
一応親には「今日は友達と勉強してくる」と言って出てきたので、罪悪感がないか、と言われれば答えに困る。でも、
『そうだ。たまにはこうやって外に出て羽根を伸ばさないと、やってらんねえな!』
俺はそう思うと同時に、そんな「口実」を与えてくれた風花に、心の中で少しだけ感謝する。
そして、目の前に現れた風花は…、
ボルドーの薄手のカーディガンに黒のスカートという、大人っぽいコーディネートであった。また相変わらず化粧は派手で、同じ高校生とは思えないような出で立ちであった。




