表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コタールの夢  作者: 雫石
1/1

第1部

リハビリ小説です。

たぶん、続きます。

よろしくお願いします。

喧騒の中を私は一人歩いている。私を機に留める者など誰もいない。

 何故か? 私は死んでいるから。

 若者たちの活気に溢れた声、老人たちの他愛もない談笑、けたたましい工事の騒音。その他全ての物事が私の五感を刺激する。

 不思議と嫌悪感はない。まだ息をしていた頃は嫌で嫌で仕方なかったのに…

 死とはそういう類のものなのだ。

 死とは私という人間だったものを救済してくれる唯一の存在だったのだ。


 話は少し前に遡る。私はとある大学で生物学を専攻していた。特段、生物が好きというわけではなかったが、高校時代の数少ない友人の一人に土下座までされては、無下に断ることもできず、流されるままに生物学部に入ってしまった。


 友人は勉学よりも男遊びに余念が無く、いつも男の話ばかりを私に聞かせてきた。辟易しつつも、度重なる猥談を聞いているうちに私の心にも、性への渇望のようなものが湧き始めるのがわかった。

 

異性とは関わりを持たず生きてきた私にとって、それは青天の霹靂とも言うべきものだった。友人曰く、私は男が好む体付きをしているらしく、『勿体ない、勿体ないよ! 遊べるのなんて大学までなんだから早く男作りなよ』なんて軽口を叩きながら、両胸を鷲掴みしてくる。触れられる事には特段何も感じないが、言っている事については判らないわけでもない。

 人生は短い、いのち短し恋せよ少女とはよく言ったものだ。私は早速、行動に移ることにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ