虫の知らせは拒否可能ですか?
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暑くも寒くもなく、部屋はまあまあ広い。高めの値段なだけはある。
男子三人は一旦脳から追い出すことに決定した、シアは直ぐに賛成してくれた。疲れるもんね。
普通に良さそうなベッドに腰を掛けて落ち着く。別にこれで心が落ち着く訳では無い。落ち着いたらいいなっていうだけ。
「マキナさんはなんであの三人とずっといるんですか? あ、えっと嫌味とかではなくて」
「確かになんで私って三人といるんだろ」
唐突に今までと関係ない質問をぶつけてきたシア。そう聞かれると私も答えられないな、いつの間にか一緒にいたんだから。経緯もちゃんとあったけど。
「私……が一番他人に近いですよね」
「まあ、そういうことになるね。いつもそんなこと思ってたの?」
「はい。恥ずかしいですよね、ずっとこんなこと思ってるだなんて。でも、一番年下だし、上手く隠してきた嘘もあるし……それがバレたら」
「――どういうこと?」
どういうことでもないですから! と。どうやら言い過ぎてしまったらしい。
私だって人に言えない嘘なんていっぱいあるから深追いはしないけど。……けど、小さいヒントくらいは欲しいよね。
「ヒントとかはなし?」
「え、気になります? 知ったら絶対驚き過ぎて私のこともっと嫌いになりますよ」
「そんなに重大なことなんだ。性格偽ってるとか」
「それもありますけど、もっと……なんなら世界でこんなに人を欺いてる奴いないと思います」
凄まじい自信だ。普段から寝ぼけた思考回路で運営している私には一生つくことの無い自信。
シアは素直な馬鹿だと思ってたんだけどな。エクシアの生まれ変わりだと思うしさ。
しばらくの間考え込んでいると、シアが薄く笑った。「本気出す所違くないですか」なんて可笑しそうに聞いてくる。私は至って真面目。
「じゃあそんなマキナさん大大ヒント出しますね! ノア様、へライト様、レヴィア様に知られるのが一番危険です」
「意味分かんないからやーめた」
折角脳内お掃除終わったのに一瞬にしておもちゃ箱もドン引く程の散らかりになった。
男子三人に知られちゃ駄目だけど私に知られるのはいいんでしょ? ならもう私にだけ教えてよ。それが一番楽でハッピーで楽だよ。
「まあ、マキナさんに知られても危ないですけどね。きっとその内分かりますよ」
「本当に分かる?」
「自然の法則と人間の法則のお陰で分かります。だからその時まで待っていて下さい」
「……これは嘘じゃないって信じておくよ」
裏切られる可能性も信じておこうか、信頼してない訳ではないけど……色々あったから。




