安全ルートは馬車に乗れば貰えますか?
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さ、部屋割り部屋振り。男女で分かれることになったけど男子勢の方が人数多いんだし広い方がいいよね。
離れたくないと行動と態度で示してくれるレヴィアに問う。何事も慣れというのは間違ってなかった。
「あの、さ。部屋って広さとか違いありました?」
「……多分ないと思う」
「男子三人だから少しでも広い方がいいでしょう?」
「それは、まあ……」
何とも歯切れの悪い回答である。後ろめたいことでもあるのか、それともまた不安が拭いきれていないのか。
そんなことより早くこの束縛から抜け出したい。どれだけ抱きしめるつもり? 一旦離れたと思ったらまた抱きしめる。
こんなのノア達に見られたら面倒臭いことに……。
「マキナ様! 只今戻り……何やってるんです?」
「いつの間にレヴィア様とそんな関係に……」
「そんな関係ってどんな関係だろうなあ? 兄妹なんだから抱擁したって何の問題もない」
「そういう時だけ兄妹の特権ですか」
言わんこっちゃない、グダグダだ。私がこの状況を編集できる力でも持ってればよかったのに。
レヴィアは挑発的な笑みを携えている。だからそれが……もういいや。挑発的な笑みも素敵っす兄様。
「シアちゃんはまだ帰ってこないの?」
「――たっだいま戻りました! 一段階上の回復とか、色々ありました!」
「どーもー」
レヴィアが抱きしめるのを止めたので私も元の体勢に戻る。
凄く面倒臭くて物凄く面倒臭くなる臭いしかしないけど、部屋のことを伝えなければ。今後もこういうことあるだろうし。
「ノア、へライト、よく聞いてね。今回の部屋割りなんだけど、男女で分かれることになりました」
「……へえ、そうなんですね。レヴィア様に用があったので丁度いいです」
ありゃ? 予想の真下を行った。私の予想ではもっと暴れるかと思ったんだけど。
むしろ満面の笑みを浮かべている二人。何か企みでもあるのだろうか、そもそも調べ物するって言ってたし絶対そうだ。
「マキナ様に知られたら嫌ですし」
「私に知られて嫌とか初めてじゃない? 自立始めたの?」
「いえ、嫌われるかもしれないから知られたくないのです」
「さあ、早く部屋に行きましょう! マキナ様には本当に知られたくないですから」
早足で部屋に行ってしまった男子三人組。なんなの、めっちゃ気になるごっさ気になる。それはシアも同じだったようで。
「なんでしょうね、あれだけ懐いていたのに。うっかり隙を見せて取られても知りませんよ」
「確かにあれだけふわふわ喜んでたら少しでも情報取れそうだね」
「例えば……ぼ、私とか。警戒され過ぎて逆に隙だらけそうだし」
「ぼ……って何を言おうとしてたの?」
「いや、友達の名前言おうとしたけどマキナさんの知らない人だから意味ないやって」
シアはふわふわしている。今の間違いだって……どこかあざといけど憎めない可愛さだよね。




