睡魔を打ち払える道具は必ず手に入りますか?
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瞼の向こう側が明るくなっていく感じがして、薄目になって確認する。感じではなく事実だった。
場所が場所のせいか、外気が冷え切っている気がする。人がベッドから出たくない気温だ、意識だけ冒険を続けたいくらいに。
ノアに抱きしめられたままだったから、余計に外気との差ができる。本人に悪気は無いし、悪いのは冬なのに冷たい空気だ。温かく接することができないのね。
「起きて、ノア」
「ん、はい……多分、分かってます」
人はこんなに寝ぼけているのに、最高なことにその記憶が無いんだ。最悪なことに他人にはその記憶があるけど。
しっかりとしているようでぼやけている、真っ白な紙に水滴が落ちたようにじわじわと……ああ、私も頭が回ってないみたい。
頭が回らないからか、五臓六腑が阿鼻叫喚で足を擦りむいて逃げる程の不味いコーヒーが飲みたくなった。
起き上がって、夢に足を絡め取られているノアを起こす。
「寒いけれど、起き上がって」
「んん……後少し」
私が起き上がったから毛布の隙間に冷たい空気が詰めかける。ノアは私を巻き込んで毛布にくるまる。暖かい、じゃなくて。
「起きないと。いつ誰が来るか分からないんですよ!?」
「起きたら、起きてしまったら、マキナ様、へライト様とレヴィア様のこと考える。嫌です吐き気がするくらい」
「――分かりました。二度寝しましょう」
そう痛いところ突かれるのはルール違反。ルールって何だ? いや、今はノアが不安にならないよう努めよう。
というか、私達は何を求めて冒険してるんだったっけなあ。……思い出せないしどうでもいいからいいや。
「ねえ、今日くらい根の根まで眠ってしまいましょう。どうせ人と陽しか起こしに来ませんよ」
「そうね……昨日は頑張ったし、今日は誰かが起こしに来るまで寝ましょうか」
あ、やっぱり今日はぐうたらデーにする? いつもの二分の一倍の速度で過ごしていい日なんだ。
ノアは柔らかく睡眠作用がありそうな、蕩けた笑顔でこちらを見た後眠りに落ちた。
私も、皆も、急に冒険始めてしまったのだから今日くらい休んでも……と思ったけれど、やはりここがどこか分からない以上長居は良くない。
でも、気持ちよさそうに寝ているノアはもう起こせない。じゃあどうするか? 私も大人しく寝よう。
――それからレヴィアが嫉妬と怒りを滲ませて起こしに来るのに、そう時間はかからなかった。




