愛らしさって道具屋から受け取れますか?
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砂の味がしない朝食は久し振りだ。レヴィアと馴染めていない時も心臓が「やっぱこれ砂だわ」と言ったせいで脳まで「あらそう」と勘違いしてしまった。
こんなに甘くて美味しくてカロリーの高そうな朝食は久し振り。
それを少しは打ち消すために苦い茶を飲んだ。口の中が弾けてる。
「そう言えばさ、シアはどうしたの」
「知らないし興味も無いな」
「そんなことより地図を手に入れたんです。どこに行きますか? 何なら魔法でワープしますか?」
「それは醍醐味を溝に捨てているようなものだから、少しは歩きましょう」
口の端にクリームを付けたノアはまあ母性を擽られるくらい可愛い。それを口に出したらまた「あっそうですか、異性として見てないんですね」って不貞腐れるかな。
じゃあどうすればいいか脳内会議。結果、恋人同士がやるような指ですくってあげて舐めてあげるということになった、これだったらいいでしょ。
「ノア、付いてるよ。うわ、甘っ、激甘じゃないですか」
「……へっ?」
かあっと言う表現がピッタリなくらいに顔が赤くなるノア。照れ屋なんだから……あ、違う?
参ったと言わんばかりの視線を寄越してくるからこちらまで恥ずかしくなる。
「マキナ様、な、にを……」
「マキナ、いじめるのはそこまでにしておけ」
「えや、え? いじめてなんかないですって」
「いいな、無条件でそんなことしてもらえて」
一気に顔が青ざめる。何この私が悪いみたいな感じ。
「ごめん」と軽く謝ったが、ノアは声にならない声を上げるだけだし、隣に座っているレヴィアは手を強く握って来る、ヘライトはまた泣きそうだ。
傍から見なくても混沌としているこの空間。周りの目が怖い。
「ヘライト……泣かないで、さっき言ったでしょう?」
「別に、泣かないです……」
「マキナ、お前いつの間にそんなことを覚えたのか」
「違います、そんなたらしを見る目で見ないで下さい。レヴィアのこと大好きなのに、この関係が白紙になったら」
「そんなことはない! そんなこと、俺が認めない」
言い方悪いけどこの三人の扱い方が段々身についてきた気がする。ヘライトは見えないしっぽをブンブンと振っている。小犬。
「マキナ様、今日は私のそばにいて下さいね。寝る時もですよ」
「分かりました、だから泣かないで下さい」
「泣いてないです、泣きません!! 有言実行ですからね!」
「はい、分かったから。だから悪い方向に考える癖、直して下さいね」
と言うと、ヘライトは小さい子のように何度も何度も頷いた。可愛いよ。




