良い時間って継続させられますか?
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警戒をしていれば『猫みたい』と言われ、大人ぶって何もしなかったら『兎みたい』と言われて。
だからマキナ様のために頑張って戦っても、『仔犬』の枠から完全には出られない。出られたとしても大型犬だろう。
自分の腕の中に閉じ込めてもマキナ様は一切動じない。動じる所か私を抱き締め返して来るから、結局私が照れる。
「どうやったらいいんだ……」
どんなに莫大な金でも、万物を好き勝手できる力があっても、マキナ様は手に入らないだろう。
ああそうだ、その問題以前に私の容姿がいけないのかもしれない。
自分の容姿が周りから持て囃されていることくらい知っている。幼い頃に「女みたいだ」と罵られたことだってある。この点でも、中性的から抜けられない。
でも、マキナ様は私を受け入れてくれた。私が不安定な時も含めたら何百回と受け止めて愛してくれたと思う。
「どうもしなくていいよ」
「……おきて、たのですね」
「ヘライトは直ぐ変な方向に考える癖があるからね」
何も言い返せない。全くその通りだ、マキナ様がどれだけ私のことを愛していると言ってくれても、いつかは離れて行くのではないかと思ってしまう。
反論も無く、黙っているだけになってしまった私をマキナ様は優しく撫でてくれた。
「もし、あなたの思う通りに、私が離れることになってしまったら……」
「嫌です、考えたくもない。そう思う余裕が無くなる程、くっつきに行きますからね」
「流石私の夫」
「……そ、う……そうですよ」
今までは小動物としてしか見てくれなかったのに急に夫呼びだなんて、そんなの反則以外の何物でもない。
「レヴィアの前ではよく夫って呼んでるけどなあ」
「っ本当!? レヴィア様の前で?」
「ええ、レヴィアが私とノア達の関係を忘れないようにと」
嬉し過ぎて思考が追いつかない。何故この人は言って欲しいことを次々に口に出してくれるのだろうか。
やっぱり私は何があってもマキナ様が好きで仕方がない、来世はどうしようか、また一緒に死ねば行けるかな。
「マキナ様、ヘライト様、起きて下さい。ご飯食べに行きましょう」
「……折角いい気になっていたのに」
「いい気になっているからでしょう」
「はいはい。ほら、二人とも行きましょう」
ノア様は絶妙的なタイミングで私の邪魔をする。ある意味才能……いや、故意か?




