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台本を装備した悪役令嬢があらわれた!  作者: ぱつぷぇ
台本は戸惑っている
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回避方法って王様から自動的に支給されますか?





「お二人は付き合っているのですか?」


「……え、兄妹ですけど」


「あ、そうなんですね! よかった」



 何だよよかったって。何がよかったんだ、もしかしなくとも恋してるな。私には分かるぞ、兄様は鈍感だから気づいてないだろうけど。


 シアはふわりと笑んで兄様を見つめる。王子に恋する乙女のよう……いや、この子前世で本当に王子に恋してたんだよな。



「足止めならもう付き合わないぞ」


「いえいえそんな気は!! ただ、一緒に旅に出たいだけなんです」


「だから無理だと言っているだろう」


「――もう面倒臭いから来るなら来れば?」



 は、と兄様が心底驚いた様な声を出した。ごめん、面倒臭いのはいやだから。


 そんなことも知らないであろうシアは「やったあ」とそこらの男だったら惚れるような仕草と表情で喜んだ。



「では、もう準備はできているので! すぐ追いつきますね!」



 そう言って家へ戻って行った。


 すると兄様が次は大きなため息を吐いた。そんなんだと幸せが逃げるよ、もう逃げたがっているけど。



「マキナ、何故許可した? アイツはきっとお前を敵視する」


「そう思っているということは騙されないのですね」


「嗚呼、あんな奴に騙される訳ないな」


「さてどうやら」



 こういうのって大体の確率で裏切られるからなあ、主人公サイドが。烏滸がましいが私が主人公だとすれば、私は裏切られる。


 しかし、こういう時に限って兄様は悲しそうな顔をするんだ。



「何があろうとあいつ側につくことはない。俺がまだ信用しきれないか」


「そう言うのに弱いってこと、知ってました?」


「お前は昔から優しいからな……昔は少しぼうっとしていたが」


「多分魂抜けてたんじゃないですか?」



 私だって気づいたら10代だったもの。しかも後半である。


 けれど兄様はそれに何かを言う訳でもなく、ただ私の方をじっと見て、ゆるりと笑みを浮かべた。



「兄様って儚そうで芯があって凛としてますよね」


「褒めても何も出ないぞ」


「事実を述べたまでなので結局何も出ませんね」



 私が言ったことは大きく外れてはないと思う。いいや、誤差は0.9以内に収まってるはずだ。


 人より白い肌なのに体はちゃんと鍛えられている。


 まあ元から焼けないタイプの人なんだろうな。いいないいな、現実世界にいた頃のマキナちゃんもそれがよかった。



「――何があっても、お前だけは絶対に守り通す。死ぬ時は一緒の方が、来世も共にいられる気がするからな」


「まあそうでなかったら私と夫達は奇跡の原石でしょうね」


「……どういうことだ?」


「いいや、何でもねっす」



 ノアとヘライトを夫と呼ぼうとしたが、口調も若干崩壊する程に気恥しいので止めた。

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