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台本を装備した悪役令嬢があらわれた!  作者: ぱつぷぇ
台本はじりじりと近づいて来た
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利かせられる機転って三番目の村で拾えますか?





 泣き虫な所も直されなかったらしい二人。我慢するよりかはいいと思う。多分。


 心配なのは私がそれに一々構うから、彼らの脳内で「泣く = 構ってもらえる」となってしまうこと。



「落ち着きました?」


「落ち着いたらまた放って置かれるから落ち着いてやらない」


「……だから、平等に構いますから」


「とか言ってノア様にばかり触れて、話して……清々しいくらいに疎ましい」



 私のモノでもあるのに、いつも私の横をすり抜けるんだ。


 なんて嗚咽の代わりに漏らす。弱々しい所も小動物みたいだ。



「小動物みたい」


「な、あ、はあ? 小動物って……私が? 何ですかそれ。私が恋愛対象として見られていないみたいじゃないですか」


「そういうことではなくて、可愛らしいなあと思っているだけです」


「や、いや、やだ、嫌だ、前も言いませんでしたか? 可愛いと言われるのは嫌だと」



 男性からしたら「可愛い」と言われるのはどのような感じなのだろう。私達女性は「ふーん」くらいで済むだろうけど。


 ……あ、でも好きな人の前で「イケメンだね」って言われたら少し嫌かもしれない。



「……ヘライト様の方が体は大きいですけどねえ」



 いくら細身と言えど、女性よりかは筋肉がついているし、身長もある。華奢な男性からは遠くかけ離れている。



「それでは不満ですか? 私より身長も高いですよね、ヘライト様」


「違う、そこでは無いのです。私を異性として愛しているか聞いているのです」


「うん……そうか、なあ……」


「愛して下さい、私を、ちゃんと、骨の髄まで、雁字搦めに」



 受け身に回ったヘライトはとことん愛を乞う。そして愛である程度満たされると、またいつもの冷たい性格になる。


 けど、今回はいつもより少し時間がかかりそうだ。


 「好き」、「大好き」、「愛している」……全てを全力で伝えたが、満足には至らないらしい。


 ならば必殺抱きしめだ、と思ったが効果は今一つ。



「マキナ様はすぐ抱きしめる。今回は抱きしめても駄目ですからね」



 ――私、こういうことには疎いんだけどなあ。恋人同士がやることと言えば……。


 ヘライトの服を少し下げる。鎖骨にキスマークが無難……でしょ? 難易度高いけど。


 何をされるか分かっていないヘライトの鎖骨の辺りを軽く吸い、唇を離す。



「ふぁ……え?」


「……いや、鎖骨にキスマークってあるじゃないですか」


「えー……いいなあ」


「ノア様にもやりましょうか?」



 やったあ、と喜ぶノアは可愛い。しかし肝心のヘライトはずっと放心状態である。状況把握に苦しんでいるようだ。



「さ、鎖骨……私、鎖骨、弱いんです」


「――――え」



 まさかの弱い所を狙ってしまうとは。流石マキナ、最悪だ。



「……鎖骨ってことは、下手すれば周りの人に見られる……でも、そうしたら、私はマキナ様のモノって分かるのかな」

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