表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
台本を装備した悪役令嬢があらわれた!  作者: ぱつぷぇ
台本はじりじりと近づいて来た
56/103

この関係って地底に行けば白紙にできますか?






 ――要約してしまえば、私のファインプレーにより、家は潰れずに済んだ。


 けれど二次元の原則として「一難去ってまた一難」と言うのがある。ストーリーを淡々と進められるよう、大きなイベントが一、二週間毎に起こることだ。


 今だって旅に何を持って行くか悩んでいる。



「私の体意外とタフだからこんなに薬は要らないかな……でも誰か怪我とかしたら」


「そんなの俺が回復してやる。お前の命が最優先だ、荷物のせいでお前が死んだら元も子もない」


「そんなものですかね」


「俺はお前を護る為だけに行く、それだけ覚えてろ」



 そこらの女性だったら一瞬で惚れると思うけど、生憎私はイケメン慣れなるものをしてしまった。我ながら生意気。


 いやあそれにしても美しい。非の打ち所の無い人というのはこういう人を指すんだろうな。



「兄様は準備はある程度できたのですか?」


「少しはな。まあ、あと約一週間はあるから」


「そうですか……私、荷物整理は苦手なので」


「……なあ」



 血色のいい唇に目が行く、どこまでも完璧な人。ノアとヘライトはどこかしら欠点があるから親しみやすい。


 でも、兄様はどこか慣れ親しんでは行けない気がする。



「俺のことは嫌いか?」


「…………へっ、は、へ?」


「いつも俺だけ除け者で、あの二人ばかり優先する。お前には俺だけでいいだろう?」


「あ……え……ど、いうことです」



 「あの二人ばかり優先する」は嫉妬に分類できる。これはノアとヘライトによく見られる。


 「俺だけでいいだろう?」は初めてだ。これは二人と違う所か。



「俺にはお前しかいない。でも、お前の周りには沢山の邪魔が蔓延っている」



 兄様は感情が声に出やすいのでは。今だって普段の清涼な声ではなく、何かを責めるような低い声。


 目には何も映っていない。透き通っていたはずの水色がじわじわと濁っていく。



「いや、マキナに全て押し付けるのは違うか。……せめて、お前を想うことだけは許してくれ。ああでもそれでは足りない」


「あ、えと、何だったら足ります?」


「一番いいのはお前と恋仲になることだが……名前で、呼び捨てで呼んでくれ」


「呼び捨てですか。呼び捨て!? れ、レヴィア……って呼ぶんですか!?」



 兄様は疲れてるのだ。そうに違いない。そうとしか考えられない。そうじゃなかったら失神してやる。


 しかし本人は「レヴィア」と呼ぶことを強制しようとしている。それにしても、なぜ急に。



「後で元の呼び方に戻せなんて言っても戻しませんからね、に……レヴィア」


「嗚呼、それでいい。それでやっと『兄』から解放される」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ