防御力ってマップ外で拾えますか?
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「マキナ様、何かありましたか?」
「え、あ、いいえ、何も」
「それとも、またアイツにでも会いましたか? あの……弱小王国のオヒメサマ」
「……いいや?」
平常心平常心、落ち着くんだ、今まで散々嘘ついてきたじゃないか。
と思ったがヘライト達の方が私のことを知っているみたいで、「嘘吐き」と言われてしまった。
「畢竟するに、隣の家の奴でしょう」
「まあ、そうとも言いますねえ」
「また邪魔しに来たか……」
「ノア様、大丈夫ですから。今は休んでいて下さい」
アイマスクがこの世界にあればいいのになあと、ノアの顔の近くに落ちたタオルを見て思った。
本人を見る限り少しは休まったようだから、あとはゆっくり寝てもらえばいいか。
やっと落ち着いた空気が部屋を満たした……が、不憫なドアが思い切り開けられる。
「マキナ!! お前、一週間後に旅に出るって、本当か!?」
「……あー……そうらしいですね」
「何故いつも俺に言わない? そんなに俺の事が信用ならないか」
「違っ、あの、私はただ」
目が据わってる怖いよ兄様。お父さんから聞いたらしいけど、今の気が可笑しい兄様にその話題は禁句だよお父さん。
「本当に行くのか? ……なら、俺も行く」
「いや、本当に行くかは分からないですけど」
「あんなか弱い奴らに任せてられない、お前が何と言おうと俺もついて行くからな」
「か弱いとは失礼ですね」
「そもそも何故マキナのベッドに寝ている?」と怒りを隠そうともしない兄様はやはり怖い。
というか、こういう冒険系って仲間と共に段々強くなって行くのが醍醐味だよね。最初からチーターしか集まらないんだけど。
――ほらほら、私がこう考えている間にも兄様対ノア&ヘライトが始まっている。
当たったら瀕死不可避の魔法が目の前で飛び交っている。雷の塊の様なものから、炎で出来た矢の様なものまで。
「ああ、もう、止めて下さい。家が壊れます」
「なら遠くへ飛ばしてしまおうか」
「瞬間移動があることを忘れてませんか? 空を飛べる魔法だってある。翼だって生やそうと思えば出来るのですよ」
「えっ!? 生やせるの!? 本当に!?」
それは見てみたい。どんなのかな、吸血鬼みたいなのかな、天使みたいなのかな。
ただ、今の状況には似合わなかったからか、三人は驚いて殺し合いを止めた。こういう止め方もあるみたい。
「っと、まあ……やろうと思えば」
「いいなあ、翼って。どんなのか今度見せて下さい! 勿論、三人ともですよ」
「あ、はい……分かりました」
「ああ……分かった」
何だかんだで世界一恐ろしい喧嘩を止めることに成功。しかも美青年に翼という素晴らし過ぎる物が見れる。
「――今度は、マキナ抜きでやるか」
「そうですね。マキナ様に当たってしまったら、なんて考えたくもないです」
「翼だけじゃなくて狐のような耳も生やしたらもっと愛でて貰えるかな……」




