本心ってどのマップのどこで拾えますか?
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「っ……妹を馬鹿にしないで下さい! 力づくってものがありますから!」
じたばた暴れてみた。しかし効果はいまいちのようだ。心の中で小さく舌打ちをかました。
「舌打ちをするな、下ろしてやるから」
「舌打ちじゃないですう、舌づつみ打ってただけですう」
そう言い返すと小さな舌打ちと共に下ろされた。舌打ちしてますけど、お兄様。
「……で、異論はないですか?」
「異論も異存も反論もある。それに、最近はモンスターが活発化してきている。お前らに守れるか」
「これでも魔術にたけているので、ご心配なく」
「さあ? どうやら」
お母さん。この人って、私のことより隣の家の子を溺愛してたんだっけ。今の私にはただのシスコンにしか見えないや。
意味もなく目を擦るが、やはり顔のいいシスコン。シス昆布。ごめんなさい何でもないです。
「兄様……」
「マキナは誰にも渡さない、俺がずっと護る」
「話が進みませんね。では、お義母様とお義父様はどうお思いですか?」
「え、別に……いや、全然いいですけど」
「そんな、何故……俺は、絶対に認めないからな」
狼が威嚇するようなオーラを纏って、兄様はどこかへ行った。
兄様が狼だとすれば、二人はヴヴと唸る子犬といった所か。要は可愛い子犬達が少し怯んでいる。
「兄様、どこ行ったの?」
「モンスター狩りに行ったよ。今日は特に八つ当たりがしたいらしいだろうな」
「ふうん? ノア様達は、どうなさります?」
「ここに住みます。……と、言いたい所ですが、隣が気になるので」
隣、確かに謎だ。隣の子は見たことがない。そもそも自分より年上の可能性だってあるのだ。
この世界では兄様が22歳、私が19歳、ノアが18でヘライトは17。私とノアは一歳若くなっている。
「ノア……兄様について行きますよ」
「そうですか、では……私達も、モンスター狩って生きますか」
「へえ……うん?」
「ちょっ、え、ノア王子!? その、それはいくら何でも」
「え?」
「マキナ気をつけてね」
ふざけんな、そう言いたかった。ただただそう言いたかった。
どうせ少しの金と棒切れと布の服しか貰えないんでしょ、マキナ知ってる。
「では、一週間後に出ましょうか」
「ちょっと待って、これ何かの冗談? なんでトントン拍子で進むの」
「マキナ……ごめん。目の圧が……痛くて」
「目の圧って。あ、そうだ! ノア様、後で私の元へ来て下さい。クマ、取りましょう」
第1王子になったらなったでその細い肩に重圧がのしかかって、目の下にはまたクマができている。
ヘライトも、よく見たら強気だった目が不安気な色を帯びている。
「第1王子だったから私に付き合ってくれたんだ」とか、余計なことを考えているんだろうな。
「ヘライト様」
「っは、はい。なんでしょう……」
「ヘライト様も、来て下さいね」
「……いいのですか」
「つべこべ言わずに来て下さいね」
あれだけ兄様と言い合った癖に、何が怖いのか。私は何があっても嫌わないってのに。
「はい。……やっぱり、誰にも渡したくない」




