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台本を装備した悪役令嬢があらわれた!  作者: ぱつぷぇ
台本はじりじりと近づいて来た
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人目ってどこで捨てられますか?





 ――さて、話は変わるが、世の中の抱きしめる効果音には色んな種類がある。


 軽く抱きしめるときは「きゅっ」とか、甘えたい時は「ぎゅー」とか。


 そのことを踏まえて今の状況を考えてみようか。



「今世こそは絶対に骨の髄まで愛し尽くしますから」



 これは「ぎゅもう」くらいではないかな、骨の髄までギチギチに束縛されてる。腕の扱いは相変わらず不憫だ。


 しかしそれを言わないのがマキナちゃんの優しさ。



「ヘライト、後悔してるのは分かったから……人前であまりそういうことは」


「貴方こそ兄弟になった途端にどこか見下して来るじゃないですか。前みたいに『様』付けして下さいよ」


「何が悲しくて弟を様呼びしなくてはならないんです?」


「とっ、とりあえず離して」



 周りからは大分冷え切った視線が注がれている。いっぱいいっぱいだ。でも、これで引く二人ではない。


 ……それにしても、お母さんは大丈夫だろうか。娘が急にぎゅっと抱きしめられながら求婚されているのだ。



「嫌、嫌、嫌だ、嫌です。離したくない。人の目なんてどうでもいいでしょう」


「立場をわきまえろって初めて人に言うわ」



 そういうと渋々離れるヘライト。ハイになっているのは久しぶりの再会だからだろうか。


 今になって辺りを見回すと、民衆はやっと状況を飲み込んだのか私を一般人と思わなくなっていた。



「マキナ……貴女、何したの?」


「ああえっと、なあんにもしてないよ……多分、恐らく」


「マキナ様、城に行きましょう? 大丈夫です。前の所よりかは温かいと思いますから」



 へたっと笑んだノアがゆるりと腕を掴んで城の方向へ歩を進めた。


 後ろには会話が溢れている。「あの子は何者?」「私もああなりたい」とか、まあ、お好きにどうぞという感じなんだけど。



「マキナ様……この世界は前の世界よりモンスターが活発です」


「ふうん。だから魔法使えるのが当たり前なんですねえ」


「ええ。マキナ様は、何か使えますか?」


「弱魔法ですけどね!」



 どうせこの二人はファンタスティックでワンダフルでビューティフルな魔法でも使えるんでしょうね! かっこいいから全然、いやむしろ有難いんだけど。



「――よかった」


「へ……慰めるとかじゃないの?」


「だって、これで貴女が完璧だったら、またきっと、私達は何も返せなかったから」


「だからいいってんのに」



 堂々巡りが好きな人だったらユートピアとも言えるくらいにくるくる同じ会話が回る。ここまでだとある意味面白いし楽しいよ。



「やっと、私達が貴女を護れるんだ」


「だからいいってんのに」



 ある種、楽しいよ。

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