自信ってどの街から買えますか?
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「台本によると私は【マキナ・セレネア】という悪役令嬢。対して主人公は【エクシア・ハイマリー】、大分ヒドイン」
エクシア・ハイマリーの設定は……。
【157cmの36kg、可愛らしい顔立ち。とある小さな王国の姫】
思ったよりヒドイン。もはやただの爪楊枝。
気晴らしのために私の設定も見てみるか。
【172cmの55kg、綺麗な顔立ち。性格の悪い令嬢】
運営は私が嫌いなのか、なんだよ性格の悪い令嬢って。いや悪役だからしかたないけどさ。
悪役は主人公より劣ってなきゃダメなの? 完璧な悪役が普通じゃなかったの?
もうこんな世界やだ。こんなことになるんだったらそこら辺の雑草にでもなりたかった。
「……う……でも、推しのため、推しのためえ……!」
もう『推しのため』っていう呪文があってもいいんじゃないか。
効果は唱えた人のやる気と生気が出る。
このルートだとマキナはノアとヘライトに殺される。こんなの僥倖の極み。
よし、明日も生きよう。今日始まったばかりだけど。
「ああああもう土になりたいよおおお」
「お、お嬢様?」
「んあ?」
――やべえ、見られた。今見られてはいけない何かを見られた。
令嬢生命が危うい。悪役令嬢生命保険とかないかな、あったら貯金全額注ぎ込んででも入りたいな。今すぐ。
「……お、お嬢様、い、今ご乱心中なんで……」
「はは、はい……えっと、今日はテネプエラ王国へ行かれますよね?」
「え!? そうなの!?」
「へ!? お嬢様自ら『行きたい!』と仰って」
「ちょ、ちょ、待って」
急いで台本をめくる。するとそこには確かに【マキナ「私、明日テネプエラ王国に行ってくるわ」】とあった。
その近くにある文章を一通り読む。
「そ、そうね、私のお気に入りのドレスを持ってきて頂戴」
「かしこまりました」
とりあえず一難去った。とりあえずだけど。
……にしてもマキナお気に入りのドレスってなんだろう。
「お待たせいたしました!」
「えーっと、お、遅いわ! さっさとそこに置き、なさい」
そう言われたメイドが置いたのは……まあ露出の多い物でして。
これをいつも来てたのコイツ。図太い神経してるなあ。
「ところでシャツってある?」
「な、どうされましたかお嬢様! どこか優れないのですか?」
「うん、色々と優れてないかな。特に心」




