魔法書って街で普通に買えますか?
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「初めて出会った時、ノアはどんな様子でしたかな」
「と、戸惑っている様でした。多分、急に目の前に現れたからだと……」
「そのあとは何かやり取りを?」
「ええ、少しテネプエラ王国について説明してもらいました」
「ノアは小さな頃から臆病で心優しい子でしたから」
「そ、そうだったんですねえ……あはは」
お前がノアを語るんじゃねえよ、なんて言えるような立場にない。ノアの小さな頃なんて知らない癖にさ。
ノアの父親もどきが嘘を吐く度に、恐怖からかノアの呼吸が荒く浅くなっていく。
頭をゆるりと撫でると落ち着きを取り戻し、呼吸は普通の範囲内に戻った。これはもう昔からなのかもな。
「それにしても美しいお方だ。息子達が惚れるくらいと言うからどんな人かと思いましたが、確かに私も見惚れてしまいました」
「お褒めに預かり光栄です……」
「しかし、彼等には元より婚約者がいました。それはご存知ですかな」
「……ええ、少し耳に挟んだことがあります。二人は、縁談はなくなったと仰っていましたが……」
私は困ったら天井だったり、時計だったり、その空間にある物を見て心を落ち着かせていた……が、天井は高いし、時計は無いしで余計に不安を煽られた。
「――直球に聞きましょう。貴女は魔女ですか?」
『エクシロセスではお嬢様は魔女だと認識されているそうです!』
イロナの明るく可愛らしい声が自然と頭に反響した。
まあ、私が魔女って言うのが一番正しいルートに戻せるのかもしれない。
「そうですね、確かに魔女ではあります」
「やはりエクシア姫の言うことは本当だったか。ならば魔女よ、何故二人に手を出した」
こういうときって手のつけられない悪女になればいいんだよね。二人は驚きと悲しみを混ぜた目でこちらを見ていた。
「簡単じゃないですかあ? 二人が格好いいから、持ち帰っちゃおうと思ったんです」
「そんな理由で……こちらがどれだけ心を痛めたと」
「だって、ノアはずっと貴方達から暴力を受けていたのよ? ヘライトは絶対無理の期待を背負わされてた」
逆に私が救ってあげたのよと、図々しいセリフを吐く。ああ、ここまで来て言うのもあれだけれど、推しに嫌われるなんて嫌だな。
すると王様は丈夫な剣を手に持った。はいはい、よくある狩りね。狩られる魔女の気持ちも考えたことあるのって。
「ふん、魔女の言うことなんて誰も信じやしない。ノア! お前が殺ってもいいんだぞ。今まで騙されていた恨みを晴らすがいい」
なんだよお前が殺るんじゃないのか。ノアの方を向くと、ヘライトがノアと何か話している。殺す方法とかかなあ。
話し終わると、ノアは私の目を見て、そして……
「ティディフテーション」
え、ちょ、何言って……そう考える暇もなく当たりが白い光に包まれた。
多分瞬間移動とかの魔法だろう。それはいいんだ……。
ただ一つだけ言わせて。この世界って魔法あったんだ、しかもノアはそれをいとも簡単に使えるんだ。
……なんで今まで教えてくれなかったのよ……。




