地図はどこの誰から買えますか?
・
「おはようございます……う?」
あ、何か凄いデジャヴとデジャブとデジャヴュを感じる。腕がそう言ってる。
真夜中なんかに起きたからだ、寝不足になるのなんて分かっていたはずなのに。
今日、出かけられるのかな、寝てる二人に弱いからな私。いや寝てようが寝てまいが二人には弱いんだけどね。
でも、今日はハキハキ生きていこう。最初より少し空いた隙間を動き、ベッドから降りる。
「つうか服屋ってどこにあるのさ」
目線は自然と台本へ。都合が悪くなった時だけ頼るのさ、地図なんてそこには無いのに。けど、神様っぽい人に会えたからそろそろ何かあるでしょう。
変にくたびれた台本を一気に開く。物語はもうすぐで半分に行く所だった。
ゲームの方だとトントン拍子でことが進んでいたからね。私が干渉したからだ。
「ここから近い服屋なんて載って……」
寛大な台本はトントン拍子で進ませてくれるらしい。7行目に書いてあった。ただ、エクシア達から近い所だから、私からは少し遠い。
ふと外に目をやると、青々しい葉達が美しい雫と光を享受していた。私も光合成したい。
「そう言えば、今の季節ってなんだろう。春にしては少し湿度があるし、夏にしては過ごしやすい、秋にしては肌寒いけど冬には及ばない……変なの」
じゃあ私が新しくこの季節に名前をつけてあげよう。いいの思いつかないわ。ネーミングセンスがないんだ。
そろそろ起きてもいい頃だと言うのに、私の珍しく出たやる気を全否定する様に深い眠りについている。
何時なのかは分からない。時計のようなものは無い。せめて季節だけでも分かればいいんだけど。
「マキナ様……」
「はい、ノア様」
「今日、出かけるんですよね……」
「そう、出かけるから、早く準備してね」
寝惚けた声で聞いてくるから、思わずタメ口になってしまう。最近は敬語を心掛けてたのに。
ヘライトは……やっぱり起きるの最後か。寝る子は育つって言うし……うん。
「……眠い」
「夜中に起きちゃったから」
「あ、そうだ。もう喉痛くないです!」
「それは良かった、今日は安静にして下さいね」
ヘライトは狡い狡いと可愛らしい文句を垂らしていたが、ノアが先に起きてしまうものだからどうしてもノアにばかり構ってしまう。
「そうだ、ノア様、ヘライト様のこと起こしておいて下さい」
「ん…………はい、分かりましたあ」
「お父様にお洋服借りて来ます」
よく見るとかなり上質なドアを勢いよく開け、父の部屋へ向かう。今起きてるかは知らないけれど。
――――
「ヘライト様起きて下さいよ」
「……ん……やです……」
「マキナ様取られてもいいんですか」
「起きます……と言うより、貴方が私よりも早く起きた分だけ貴方はマキナ様と親密な関係になれるでしょう」
「先程もお話できましたからね」
「今度はもっと早く起きて、貴方に私の気持ちを解らせてあげますよ」
「ただいま……って、なんでそんなに険悪ムードなんです?」




