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台本を装備した悪役令嬢があらわれた!  作者: ぱつぷぇ
台本の中で狂気を綴ることはできない
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萌えって2周目で買えますか?





「貴女がマキナ・セレネア様ですか?」


「ええ、そう。それが何か?」



 二人を取り返して結婚したい姫と、二人を正気に戻してエクシアと結婚して欲しい悪役令嬢。


 要約すると、カオス。しかし主人公の前では悪女しないと土台が崩れる。その土台の上にあった城はとうの昔に神隠し。



「いいえ……とても綺麗な方だなあと……私、自分に自信なくて」


「あっそ、あらそう。でも、貴女は私の真逆ね」


「そっ、そうですね……あ。そうだ! 本題なんですけど」


「何? さっさとしてくれない?」



 私がそういうと、少し恥ずかしそうに一枚の紙を出した。


 内容は、ヘライトとノアをエクシアと結婚させることについてだった。なんだよ自慢かよ羨ましいないいなあ。



「これ、私、と、ノア様、ヘライト様の結婚……についてなんですけど……」


「ふうん……で?」


「あの、お二人がここにいるって聞いて。縁談、まだ、終わって」


「終わりましたよ?」



 ノアが余計なことを言った。ヘライトが相変わらずの真顔でノアを一瞥する。


 エクシアは信じられないとでも言いたげな顔で私を見てきた。私が信じたくないよ。



「縁談、終わったじゃないですか」


「な……あんなの、私認めません! だって、結婚することは決まってたのですから!」


「決まってたから? 決まっていたことでも、私達は認めません」


「少なくとも、家出するくらい」



 家出って……帰るつもりなし? 家なき子なの?


 え、じゃあ余計エクシアに面倒見てもらわないとじゃない? なんで頑なに否定するの? ツンデレなのか、ツン多めなのか?



「まあ私にはどうでもいいわ、そんなこと。二人は既に私の犬なのだから」


「犬!? 犬だなんて、最低! 二人はちゃんとした人間――」


「犬にして下さるのですか? ああ、でも……首輪、ない」


「真に受けないの」



 なぜか乗り気でこちらを見てくるノア。さっきからこの子どうしたの?


 するとヘライトが血色の良い唇で「なんだ」と言葉を紡いだ。ヘライトもおかしくなった。



「……と、とりあえず、二人共ちゃんとお家に帰って下さいね。皆心配してますよ!」


「へいへい私からもよおおく聞かせる……」



 折れるの早いなこの姫。もっと粘れよ、でないと元のストーリーにできないんだよ。


 エクシアは腑に落ちないような顔をして帰って行った。


 ヘライトがほんの少しだけ顔を緩ませて、「帰った……」と言った。



「では、私も帰ります。お父様に捨てられては、貴女と婚姻関係を結べない」


「私も……このくま、ありがたく貰いますね!」


「おお……律儀に持って帰るのな」



 お父様の服はやっぱりぶかぶかだけど、ちゃんと着込んでいるのでファッションの範囲に留まっている。



 呆気なく帰ったことに少しの寂しさを感じるけど、さっきの犬発言とかで引いてくれたかな。引いてないよね。

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