ヒントって言い値で買えますか?
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「マキナ様の家は何処にあるのですか?」
「へ? そんなの聞いてどうするのさ……どうするのですか?」
「あ、私には敬語使わなくていいですよ。第3王子なんてほぼ庶民ですし」
「私にも使わなくていいですよ」
何か、ノア変わったなあ。エクシアに恋でもしたのかしら?
まあ本来ならそういうルートだし……そう思うと台本の重みが増してきた気がした。
抜粋したセリフのせいかもしれないが、ノアが可愛い大型犬に見える。かと思えばヘライトが肩に頭をぐりぐりと押し付けてきた。
「ヘライト様、どうされました?」
「……貴女の家に連れて行って下さい。どうせ、一日居なくなったって父様は気にしないでしょうから」
「私も連れて行って下さい。私がいなくなった所で何も起きませんから」
ヘライトのノア化が進んだ音がした。どう声掛けをすればいいんだ?
貴方はご両親から期待されてるのですよ? とか、城の方達や民が悲しみますとか?
「……ああっと……いいですよ、居心地がいいかは分かりませんが」
いや、とりあえずイエスかノーかだけ言っておこう。でも、急に王子連れて行って大丈夫かな。
……まあイロナとか、メイド達に頼めばいっか。人使い荒いけど。
「じゃあ、こっちに来て下さい」と馬車の方へ向かう。
「ふふ、マキナ様のお家……」
「……散らかってたらどうしよう」
「別に散らかっていても私達は気にしないので。ですよね、ノア様」
「私の部屋も大分散らかっていますしね」
何だか恥ずかしくて急ぎ足になる。そう遠くない所に馬車はある。
イロナに何も言われたくなくて、地面を眺めたまま到着。
「た、ただいまイロナ……」
「お帰りなさいませお嬢様。何かいいことは……そ、そちらの方々は……」
「何も言わずに乗せて」
そう言うと察しがいいのか「分かりました」とだけ答え、二人も乗せてくれた。
この馬車一応大きいやつだから最大で6人は乗れると思う。……けど。
何故私にくっつく? まだスペースあるよね、なんで? 私を衝撃緩和のために使ってる?
「あの……くっつき過ぎじゃないですか?」
「そうですか? 馬車が揺れてるからじゃないですか?」
「ヘライト様が横にずれてくれれば離れられるのですが」
「生憎、体幹が鍛えられてないもので」
――私、見えてる? 目線だけで助けを求めると、イロナが口を開く。
「あ、あのう……旦那様が何と仰るか」
「大丈夫です。金なら持ってます」
「足りないなら何でも差し上げます」
「……お嬢様、が、頑張れえ……」
え? 買収するの? 私の家、買収するの?
どうしよう、どうしようどうしよう! 買収されたら、ど、奴隷……強制労働。
もしかして……元からそれ目的で? 良家を次々に支配して……。
「お、お、お……お手柔らかに……」
いや、エクシアとメリーバッドマリーしてくれるならいいのだけれど。
――――馬車が緩やかに止まり、見慣れた風景が目に映る。
「――へえ、ここがマキナ様の家ですか」
ヘライトがゆっくりと口角を上げて言った。何か、されませんように。いや、悪役令嬢だから何かされるんだけど




