軸は一週間で建築可能ですか?
・
フォロースキルは後で入手するとして、今は脱出スキルを身につけなければ。なんで私の嘘は鵜呑みしようとするのにシアという人間が絡んだ途端に疑うの?
ノアの目が鋭くなり、へライトは口をへの字にし、レヴィアに至っては腹の底を探ってくる。
まあ居心地の悪いこと悪いこと。何かいい打開策はないものか。
「マキナ様、本当に本当ですか?」
探ろうとしているのか、ノアが光のない目でじっと見つめたまま聞いてくる。思わず足が止まる。
こういう時はこう言えばきっと抜け出せる、そのための容姿。
「うん、もしかして私の事疑うの?」
「ッそういう訳ではありません! けど……庇っているような気がしたから」
「庇ってないよ、私は事実を伝えたまで! ね、ねえ、シアちゃん」
「はい! マキナさんは本当のことしか言ってない……です」
最後の方で自信が無くなったのか、声も消えてなくなった。今の状況では余計疑いを煽るだけだ。
「マキナ様? ねえ、私に話せないことでもあるのですか? 一番最初に私が出会ったのに、関わったのに」
「大丈夫だから! ノアに隠し事なんて一切してないよ」
「でも、それなら何故……何故、私から離れようとするのですか」
そんなことないよ、とは言い切れなかった。実際離れようかなと考えた時もあったからだ。
それを濁すためにノアの頭をわしゃわしゃと撫でた。本人は納得の行かない表情だけれど。
「そうやって誤魔化す。へライト様にも同じようなことやってるんでしょう?」
「私にふっかけないで下さい! 私はしっかりノア様と違う扱いを受けてますから」
……ね? と、途端に不安そうな顔で私の手に指を絡めて聞いてきた。不安になるなら言い切らないでくれなんて言った暁には二度と離れないだろう。
離れないと言ってもなまっちょろい感じではない。手と手を繋いでその上にナイフを刺すようなものだ。
「へライトも心配しないでね」
「う……分かりました。分かりましたけど! ノア様も仰る通り、私達に飽きた様な言動や行動が増えたのは何故ですか?」
「適度な距離って大切でしょう? 仲良いならもっと大切」
「嫌です! 私はマキナ様に溺れていたいのに!」
それがいけないんだって! ああもう一体なんで言いたいことに限って声に出せないの!?
……とは言え、無理だ。どれだけの月日が経とうとこの潤んだ瞳には勝てないだろう。と言うか勝てないな。
「程々にしとけよ、色々と」
「分かってたはずなんですけどね、何ででしょうね。いつの間にか相手のペースに飲み込まれてるんで」
「ということは頑張れば俺のペースにも巻き込まれると?」
「もうとっくのとうに掻き回されてますけど」




