フォロースキルは宝石で開放できますか?
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ずるずるとしていたって仕方が無いよと言える子になりたい。私からすれば奇妙な色をしたサラダを頬張る。
案の定奇妙な味、奇妙過ぎて案外絶妙、しかし微妙である。へライト曰く『10分の1の確率で美味しい』らしい。
「どうした? マキナ」
「いえ? 私は何ともありませんが?」
「それは無理して食べなくてもいいと思うぞ」
「目覚ましに丁度いいんです」
ああ、神様はどんな感情でこの人を作りあげたのだろう、どんな感情で私の兄にしたのだろう。きっと二日酔い故の誤ちだろう。
大きな欠伸をした勘の鋭い兄を見る。油断のならない人だ、それを言ったら全員そうなんだけど。
レヴィア同様私を疑っているのかノアがジトッとこちらを見てくる。……最近は食べる量も少し増えた。安心? だね、今ピンチだけど。
「マキナ様、人間は嘘を吐く時に上をよく見るらしいですね」
「うぇっ!? 嘘でしょ!?」
「嘘ですけど」
誰この生意気男子、さっきの安心返して。悪気の無さそうな顔をして、ノアはバーガーにかぶりつく。生意気も含めて成長期か。
成長期と言えばへライトもそう。年齢的に成長期のど真ん中だし、食べる量も増えた。これから身長伸びるのか、もう充分じゃない?
「マキナさん」
場が凍りつく。因みにここはレヴィアが適当に選んだ店、ここならシアは来ないだろうって。どれだけ嫌いなんでしょう。
まあシアがエクシアでないと知った私はそれに加担する訳でもなく、程々に見守ることにした。近い日に恋敵になるだろうから。
「ああ、おはようシア。……大丈夫?」
「はい! 色々と」
『色々と』、ねえ。レヴィアはシアを隣に座らせるつもりは無く、へライトも同じ。
「レヴィア、隣に座らせてあげて?」
「っマキナ、何故」
「いいから。可愛いマキナちゃんからのお願い」
可愛げのないことでも美人が言えばそれなりの価値。不平等な世界だね。
どんなことでも私が関われば緩くなってくれるレヴィアはシアを一瞥してから「好きにしろ」と言った。
「マキナ様」
「なあに」
「……なんでそいつに優しいんですか」
「ちょっと色々あったんだよね」
シアはすっかり今までのシアに戻っている。引き摺っているのはこちらなのかもしれない。
「……むかつく」
「私達が先なのに。と言うか、私が一番最初にマキナ様と出会ったのに」
「そう言わないで、ね?」
私の八方美人は加速していく。皆好きだから仕方ない。
「ごめんなさいマキナさん。ぼ――」
「……ぼ?」
引き摺っていたのは相手もだった。何とかフォローを入れねばバレてしまう。レヴィアは疑っていたのに。
「ぼ……ボレニカって言う、私の父の故郷の話を夜が更けるまで聞いて貰ってたんです」
「そっそう! 街中で仲良さそうに歩いてた親子を見て思い出したらしいんだよね!」
「――ふうん?」
必死のフォローも、疑いの成分をより一層濃くしただけだった。




