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台本を装備した悪役令嬢があらわれた!  作者: ぱつぷぇ
台本の中で淡白を嘆くのは無理に等しい
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アドリブ力ってどの人から買えますか?





「と、ところでさ」


「何でしょうお嬢様」


「わ、私、他の国に行ってみたいとか……言った?」


「……えーと、ルノマース王国のことですか」



 はい完全に詰みですありがとうございました。


 なんてこった、推しに会えるのはたいへん嬉しいことなんだけどさあ。



「あ、明日! 明日行こう!」



 これ以上台本を見過ごせない。先延ばし先延ばしにしてイベントの時にヘライトに会ったらゲーム崩壊どころか私の心までもが崩壊する。



「それは……流石に急ではありませんか?」


「わわ私が言ってるのよ! ご、ごちゃごちゃ言わないで!」


「……やっぱりお嬢様、なんか変……」



 なんでだろう数日前の私だったら目から胃液出してでも叶えたかったような事が、今の私の首を狩ろうとしてる。



 普通に推しに会えるメイドZがよかった。本当に街人Dとかがよかった。


 それかもういっその事モンスターにでもなりたい。



「もう……もう私耐えきれない」


「悩み事でしたら聞きますよ?」


「そういうんじゃない……そういうのじゃない」



 『推しが結婚するのはいやだ』とかふざけたことを言ってた推し盲目期の私が憎い。


 今は何でか『推しに結婚して欲しい』とまで思っている。


 多分、憧れのゲーム世界を少し崩してしまったことへの罪悪感だとは思う。


 早く主人公と結婚してヤンデレっぷりを見せてくれ……お姉さんも頑張るから。




「……う、お嬢様さっきから百面相がすごい…………」


「へ!? 百面相!? 私が!? いやいやいやいやありえないありえない」


「病院連れていった方がいいかな……」



 悪役令嬢としてではなくただのオタクとして台本通りに演じている今ではプライドも何も無い。あ、金はある。



 ……じゃなくて、明日に備えて色々と準備しなくては……あと台本の中身も暗記しないと。

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