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VRゲーム系

ラヴィアンローズ

作者: ひつじかい

 彼女は元々ゲームが好きだったが、VR乙女ゲーをプレイし、ゲーム廃人となった。

 そこには彼女が望む全てが在った。


<警告! ログインから六時間が経ちました。健康の為にログアウトしてください>


 庭付きのオシャレな豪邸。


<警告! ログインから七時間が経ちました。健康の為にログアウトしてください>


 幾ら食べても太らない・何時までも老いない身体。


<警告! ログインから八時間が経ちました。健康の為にログアウトしてください>


 専業主婦になる為に妥協して結婚した夫とは違い、魅力的な攻略対象達。


<警告! ログインから九時間が経ちました。健康の為にログアウトしてください>


 彼等を虜にする美貌。


<警告! ログインから十時間が経ちました。健康の為にログアウトしてください>


 掃除・洗濯・炊事等が必要無い世界。


<警告! ログインから十一時間が経ちました。健康の為にログアウトしてください>


 働く必要が無い世界。


<警告! ログインから十二時間が経ちました。強制ログアウトまで五分。カウントダウンを始めます>

 



「お隣の異臭、やっぱり、亡くなってたのか?」

 帰宅した夫が妻に尋ねる。

「そうらしいわ。VRゲームの中で食事が出来るから、現実で食べるのを忘れたのかしらね? 骨と皮だけみたいに痩せていたそうよ」

 トイレに行くのも忘れていたらしいと聞いていたが、夫が食事中なので言わない。

「確か、ゲームにハマり過ぎて家事をしなくなった所為で離婚されたんだっけ?」

「そうよ。それで益々のめり込んだんでしょうね」

 妻は、話を聞いて一番印象に残った事を口にする。

「でも、皮肉なものよね」

「何が?」

「彼女が遊んでいたゲームのタイトル。『ラヴィアンローズ(薔薇色の人生)』だったんですって」

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― 新着の感想 ―
[一言] 他人に理解できなくても、本人にとっては理想の世界に生きて、とても幸せな最期です。 これって現実に発売されたら、絶対社会問題になりますよね。 リアルに充実しない人達から、絶大な支持をうけます…
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