南方資源輸送計画(仮) その一 タンカー
「海上護衛戦」よりいろいろ引用させていただきました。
太平洋戦争前の日本の状況。
必要とする石油の量 350万トン
国内備蓄量 700万トン 昭和16年 夏
国内生産量 50万トン
(天然石油生産量 30万トン)
(人造石油生産量 20万トン)
船舶保有量 630万トン
船舶使用分類
海軍徴用 180万トン
陸軍徴用 110万トン
陸軍徴用 開戦初期 230万トン
民需用 300万トン
船舶損失見積もり予想
初年度 100万トン
二年度 80万トン
三年度 60万トン
船舶建造見積もり予想
初年度 45万トン
二年度 60万トン
三年度 80万トン
タンカー保有量 約50万トン
海軍徴用 16万トン
陸軍徴用 約1万4000トン
輸送用 約32万6000トン
護衛艦艇 昭和17年4月
第一海上護衛隊 内地-シンガポール間 2540海里
駆逐艦 10
水雷艇 2
特設砲艦 5
第二海上護衛隊 内地-トラック間 1840海里
駆逐艦 4
水雷艇 2
特設砲艦 1
あいかわらずひどい。海軍は米国と戦争する意思も能力が無いのがまるわかりだ。
好意的に解釈すれば立派な武器は作りましたが鎧にまで手が回りませんでしたということなのだろう。まあ、明治の頃の某事件のように、海軍の偉い人は艦艇作らせてバックマージンが欲しかったのだろう。
しかし、よくミッドウェイを攻略する気になったもんである。ミッドウェイの攻略に成功すれば船舶問題は即破綻しそうなのに。いやミッドウェイで米海軍に完勝する事が唯一有利に講和する条件か。内地-シンガポール間のシーレーンは簡単に崩壊しそうだし。それにしても海上護衛隊に配備された護衛艦艇が少ないのが痛い。なんでこんなに少ないのか? 掃海艇や敷設艇がそれなりにあるはずである。海軍の海上護衛に対するやる気のなさが手に取るように判る編成だ。やる気があるなら測天型敷設艇を配備するだろう。
それは置いておいて南方からの資源輸送計画(仮)だ。内地からシンガポールまで約2500海里。12ノットで航海して約9日。余裕を5日として片道14日。荷物の積卸しに二週間。一航海が一ヶ月半かかる。年6回で九ヶ月。残りの三ヶ月は整備期間とする。
一万総トンのタンカーの原油搭載量が1万5000トンとして32隻で48万トン。48万トンの6倍で288万トン。これに国内生産量の50万トンを加えて338万トンになる。備蓄量の700万トンと合わせれば何とかなりそうな数字はでっち上げる事が出来た。護衛艦艇の数を考えれば片っ端からタンカーを撃沈されてすぐに破綻するのは目に見えているのが辛い。