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00。 淋しい世界。
暗闇の夢を見る。
頭上に広がるのは漆黒の空。
そこに散らばるのは細かな光。
泣きそうなほどに綺麗な夜空。
満天の星々が、俺を見下ろして瞬く。
「君は一人じゃないよ」と。
俺は何も言わない。
足元にまで侵食する闇の手。
太陽を飲み込む夜の海。
淋しさが募る虚無の地上。
満天の星々が、再度瞬く。
「でも、君は一人だよ」と。
俺は何も言わない。
違う。
俺は何も言えない。
そして今日も俺は、何も言えずに目を覚ます。
星が瞬かない世界を生きるために。