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10.冒険が始まる⋯⋯!

「──ってなことがあってさー」

「ふうん⋯⋯。その子たちが私をパーティに勧誘したい、と」

「そうそう。だからさ、来週あたりに私の家に来てよ。話だけでも聞いてあげれば?」

「ううん、どうしようかしら⋯⋯」


 どーもこんちわッス、姫野(ひめの) 葉月(はづき)と申しまッス。

 えー今日はね、友達を引き連れて前世の日本にお買い物に来ているよ。

 例の如く「葉月空間」経由で来たから、見た目でヘンに注目されるような事はないはず。もちろん美貌以外でね。

 フローラさんには白のブラウスとデニムのシンプルな組み合わせチョイスしてみたけど、結構いい感じっ。

 服装に合わせて、「葉月空間」の設定をいじって髪型と髪色をマロンブラウンのショートウルフに変えてみたよ。

 あとは適当なアクセサリー類もかな。金のフープイヤリングとかネックレスとか。

 カジュアルな雰囲気でありつつ、フローラさんの背丈と顔で上品さもプラスって感じかな。

 ⋯⋯えっ? 私?? そら上下ともグレーのスウェットよ。

 あと適当なスポーツブランドの白キャップと、英語のロゴが入ってる多分アメリカとかの会社の黒いスニーカー。

 スタイル良いフローラさんに対抗してるワケじゃないけど、ちょっとへそ出しとかもしてる。

 いや別に対抗してるワケじゃないけど。


「──ねーハヅキー、お小遣いちょーだいー。また“てりやきえっぐばーがー”と“くっきーくりーむしぇいく”食べたいー」

「え〜っ、せっかく皆んなで私の前世(こっち)に来たんだから前回とは違う方が良くな〜い?」

「えー行こうよー、あの赤い板に黄色いとんがった山が2つ並んでるみたいな看板のあそこー」


 私の肩に顎を乗せて駄々をこねるのは、狼娘のフィーナだ。

 シャープな狼耳とふんわり尻尾は本日休業中。その代わりに外白内紺の髪色はそのままにしているよ。

 あくまでフィーナの地毛だけど、まぁインナーカラーということで問題無いでしょう。

 髪型はいつもの三つ編みツインポニーを解いて、ミディアムパーマに私とフローラさんで整えてみた。

 服装は黒のパーカーミニワンピとグレーの厚底スニーカーに紺のバケットハットの組み合わせをチョイス。

 ⋯⋯こうして見ると、フィーナって体の線が細いんだなぁ。

 食べる時はあれだけバクバク食べてるのに、まったく羨ましい限りだよ。


「──なに? その“てりやきえっぐ”⋯⋯なんたらって」

「え、食べたことないの? ちょー美味しいヤツなの!!」

「ふうん、気になるわねぇ。⋯⋯あ、赤信号だから止まって」

「ホントだ、はーい」


 後ろ歩きをしていたフィーナをフローラさんが停止させる。

 交通マナーについては2人とも初日に徹底して教え込んだからね。ちゃんと理解してくれていてよかった。

 フィーナなんか今日で2回目の異世界観光だけど、思っていたよりも全然初々しい様子が無いや。

 初回の時にルールとかマナーとかカルチャーショックとか、もろもろ慣れちゃったのかなぁ?

 私としては異世界人らしいリアクションがもっと欲しいところだけど⋯⋯

 ううむ、あとで連れてく予定の回転寿司で逆転を狙うぞっ。


「それで、なんて名前なの? その“てりやきえっぐ”のお店」

「えーっと、確かマク──」

「あーノンノン。ミクダァナーね、ミクダァナー」

「み、みくだぁなぁ?」

「そっそ、ミクダァナー。これがネイティブ」


 青になった信号を渡りながら、女子3人でお喋りっ。

 いやー、楽しい。お目当てのお店まで、あっという間に着いちゃいそう。

 用事が終わったらお寿司も食べに行く予定だし、今日はワクワクな日だなぁ。

 今日はあくまで()()のつもりだけど、気に入ったモノがあったらもう即決で買っちゃおうかな。

 ぐふふ、予算は23万円。今のわれは無敵なり。




 なんやかんや歩くこと20分くらい。

 本日の目的地に到着した時のフローラさんとフィーナの反応は⋯⋯


「──こ、ここなの? 今日のハヅキの目的」

「大きな建物ね⋯⋯。以前、帝都で見た大教会を思い出すわ。車がたくさん止まっているけれど、なにか特別な場所だったりするの⋯⋯?」

「いやー? こっちの世界じゃ別にフツーだよ? ふふんっ」


 あぁ〜、レスポンスが心地良いわ〜。

 今日の目的は⋯⋯そうっ!! ワクワクが詰まった大人のテーマパーク!! 日常生活に新たな風を吹き込む場所!!

 その名もっ、


「ホームセンタァーー!! ⋯⋯って、いう場所」

「「ほ、“ほーむせんたー”⋯⋯!!」」


 ごくりと息を飲む、異世界からおこしのお2人さん。

 こちらの文明を知るという上で、ホームセンターほど知識が得られる場所というのも少ないでしょう。

 科学技術の結晶である家電製品、飲食店を始めとした併設する娯楽施設、店内を行き交う無数の人々──。

 ううーーっ! それを2人に案内するってだけで、もう楽しみでしょうがない!

 ほんじゃあ早速入店っ! やろーども、ついてこーい!!

やっぱ食ってばっかじゃいかんな。



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